2度目の『レジェンド & バタフライ』を観ました。



1回目観終わったあとの「すごいものを観てしまった」感、2回目観終わった後でも感じました。



ネタバレしながら感想を書きます。

めちゃくちゃ長いです。


※まとはずれなことを書いているかもしれません。どうか怒らないでください。


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映像が美しい。

城や寺、街、とても美しい。

信長のそのときそのときの衣装も印象的。



「信長」と「濃姫」のお話であることはもちろんだけれど、ある「殿」とある「姫」の夫婦の物語という気もする。



桶狭間の戦いの前に策を考えヒントを信長に与える姫。

姫が参謀として常に殿の側にいたら面白いだろうななんて思ったりもした。



若き日のギラギラやんちゃでかわいげがのぞく殿。おしゃれさんだけどちょっと違う感があるところもいい。  

姫も。

ふたりともかなり血の気が多いゲラゲラ



殿が崖で落ちかけたときに姫が「海の向こうへ行ってみたい」と言った言葉はこの物語で大きな意味を持つ。



濃姫のそばにいてくれるのが各務野と貞家で良かった。



公家化粧した姫が殿たちに爆笑されてゴシゴシぬぐったあとの顔がちょっと「ジョーカー」味笑い泣き

ほっこりする。



笑いすぎた殿「ああ、腹がつった」



2度目に観ると、京の街に繰り出したときに楽しく踊るシーンがあの船上で踊るシーンと結びついてどきりとする。



三足の蛙の香炉



金平糖をすられて追いかけてきたあの場所の雰囲気が『無限の住人』を思い出した。



スイッチ入った濃姫が『奥さまは、取り扱い注意』的。



「魔王」になった殿の残酷で冷酷な表情が絶品。


上から明智を見下ろす表情がすごい。

明智、ゾクッとしたんだろうな、「魔王」に魅入られたんだろうな。



明智からの「格別なる屠蘇」(←あまりありがたくない……明智、狂気出してきた)飲んで杯をなめるシーン、もうすごい。



だんだん「すごい」しか言葉が出なくなってきたイヒ



残忍で冷酷な「魔王」の状態をも越えてしまって濃姫の言葉も響かない、話を聞いているのか聞いていないのかわからない、「苦悩」さえもできないようなすごい表情でそこにいる殿。



離縁の話をしたシーン、とても美しい。


去っていく濃姫をこそっと見ている姿が泣かせる。

見上げた濃姫と柱に隠れる殿。

濃姫をチラ見していた若き日の殿のかわいい姿を思い出し胸が苦しくなる。

刀をくわえ、嗚咽をこらえる姿が絶品。



戦が続く中、殿の肩に止まる美しい蝶。



相撲大会のシーンでの殿の表情がすごい!(←また「すごい」出た。もう本当に語彙が…)

どこを見ているのか。

目を開けているけどどこも見ていない。

目の光が消え「虚無」

こんな表情、なぜできてしまうのだろう。



木村さんのこういう表情がとても好きだ。

『検察側の罪人』や『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』のときにも感じたあの表情。ゾワリとする。



殿と姫、ふたりとも距離は離れているが常に心はぴたりと一緒にいる感じがする。同じタイミングで体調を壊す。



赤の小袖が鮮やか。似合う。

市川染五郎さんの森蘭丸が似合いすぎる。



殿が「お主の病は俺が治す」と言ったとき、各務野が「助けを必要としているのは殿の方」だから姫が助けてあげなさい的なことを言った言葉は大きかった。

各務野、いてくれてよかった。



安土城をちょっと得意げに案内する殿。

久しぶりに憎まれ口を叩くふたり。

顔を見合わせてニッと笑う、ふたりの表情が最高。



このシーン、ふたりの心が通い合いとても幸せそうだったな。



薬草園作って薬草作ってあげて自分で鼻つまんで飲むハメになる殿……顔が穏やかになってる。



斎藤工さんが斎藤工さんに見えない。



明智との「ひと芝居」辛かった。

「魔王」の仮面をかぶって明智を殴るけれど涙をためている。


明智は(多分)殴られても平気なんだ。

そもそもひと芝居うってるわけだし。

もしかすると手加減もどこかで感じたかもしれない。

それに明智、殴られるの嫌いじゃなさそうだし。(←勝手なイメージ……『真田丸』のときの明智が信長にボコボコにされていた姿をつい思い出しちゃう…ちなみにそのときの明智は岩下尚史さん(,,>ლ<,,))



「人であることを捨てた」残忍な魔王時代の殿なら、涙はためなかっただろうけどいまの殿は「魔王」になりきれなかった。

他の人たちはだませても家康には見破られてしまったようだし。



「許せ」と謝られたときに、明智は完全にもう信長を見限ろうと決めたんだね。

コイツはもう「魔王」じゃないと。

 

取り巻きたちも年を取った。



本能寺に行く前に楽器を渡す。



三足の蛙の香炉は懐に。



本能寺。

逃げるのではなく自ら戦う。

「帰らねばならんのじゃ!」

濃姫の元に「帰る」ことを思って戦っている。



見事な演技すぎる。



「わしの首は死んでもやらんぞ!」ギラギラ。

そうだ!そうだ!やるな!やるな!



「信長」の最期をわかっていてもどうにかならんのかと願う。



ふすまをどんどん開けていくシーン、素晴らしい。(また語彙が)



殿、目を閉じて一瞬覚悟した。

「是非には及ばず」



香炉が懐から転がり落ちて死ぬのやめよう!会いに行かねば!と。



床!見た!



もう観ているこちらとしては、早く逃げて早く逃げて!

馬がヒヒーンとか鳴いてバレるんじゃないかとか。

あとちょっとのところで見つかってしまうのでないかとか、着いたら濃姫はもう、、とか、やっと濃姫のところにたどりつくも殿がバタッと倒れてしまうのではとか思いながら祈りながら観た1回目。



でも。このふたりったら船着場までたどり着いちゃう。



ここで捕まるのでは??



と、思いきや船に乗っちゃう。



このまま逃げられるのか?

いいの?いいことにしてくれ。



もう、ここで終わってくれ、船に乗るところで終わってくれ!もう助けてあげて(甘い考え)



もちろん

終わりません。



船上で楽しく踊るシーンはあの日、街で踊ったシーンを彷彿とさせる。



やぎ抱っこ。



楽器を弾いている穏やかな表情の殿。

姫も元気そう。



嵐のシーン、いらない。

もう終わってくれ…頼む。



『タイタニック』みたいな雰囲気。

もうそれもいいから。



そこからの現実がきつすぎる。

残酷だ。

わたしも一緒に夢をみてしまった。



殿!

あきらめるな、もう1回、床を見るんだ!

床がはずれるかもしれない。

いや、力づくではずすんだ、殿!



香炉も実際は手元にない。

庭に転がっているのが悲しすぎる。



姫も、、。



凄まじい最期。

壮絶。



炎メラメラパチパチバリバリバリ……の音の中、エンドロール。



すごいものを観てしまった気持ち。



2回目なのにやっぱり思った。



すごかった。



すごかった。



(何回言うんだ)




ああ、すごかった。



木村さん、すごすぎる。


そういえば音尾さんのビジュアル、強烈だったな…




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