自分に起こる出来事というのは、避けようがなく、どんな結果になったとしても、それが私の運命、それが私の人生であって、どうすることもできないと思っていました。

 

感情が、課題投下のサインと知るまでは。

 

 

 

 

 

『アサギマダラ』という名の蝶は、秋になると越冬のために海を渡ります。

 

アサギマダラは、旅の途中で花の蜜を吸って、羽を休めます。

 

アサギマダラが好む花の名は、『フジバカマ』と言います。

 

 

 

その話しをたまたま聞く機会があったAさんは、知人から『フジバカマ』の苗を譲ってもらうことができ、自分の家の庭で、

 

 

 

 

 

こんな光景が見られる日を楽しみに、フジバカマを育てていました。

 

 

Aさんのご主人は定年退職をしましたが、週に3日間ほど働いています。

 

Aさんは、自宅で仕事をしています。

 

週の4日間、仕事をしているAさんの周りを、ご主人は何をするでもなくプラプラとしています。

 

 

「うっとぉしい・・・」

 

 

そう思っているAさんに、ご主人が、

 

「今から、庭の草抜きをするよ。」 と言いました。

 

 

Aさんは、

 

「朝からずっとプラプラしていて、こんな夕方になって草ぬきなんて・・・。

私がいつも草ぬきをしているから、草なんてほとんど生えてないのに・・・。」

 

と、心の中では、もの凄い苛立ちを感じましたが、「ありがとう」と言い、自分も犬の散歩にでかけました。

 

 

 

犬の散歩から戻ったAさんは、びっくり ハッビックリマークとします。

 

「もしかして・・・・」

 

 

イヤな予感は的中しました。

 

庭に植えてあったフジバカマが、一つ残らず抜かれていて、草の山となっていたのです。

 

 

Aさんは、これほどまでの怒りを感じたことがないというほど怒り、泣き叫びながらご主人に、この花の名前や、そこに飛んでくる蝶のことをどれほど自分が楽しみにしていたかを、ぶつけにぶつけました。

 

ご主人は、「すみませんでした。すみませんでした。」と、平に謝ってくれましたが、敬語を使って謝ってくるご主人に対し、輪をかけて腹が立ち、怒りは収まりきらないままなのに、ご主人はスゴスゴと自分の部屋へと入って行きました。

 

 

苗を分けてくれた知人に、この怒りを聞いてもらおうとメールをし始めた時に、ハッと、

 

「この怒りのままではいけない。」

 

そう思った時、「フジバカマを草の山の中から探そう」と閃き、日が沈み暗くなりはじめた庭を懐中電灯で照らしながら、フジバカマを探し出し、今では鉢の中で根を付け始めたそうです。

 

 

 

 

これが陰の世界とすると、陽の世界が

 

 

 

背中合わせに存在しています。

 

 

「ご主人が草を抜いてくる。」と言った時に動いた感情が、課題投下のサインだと気づいていたら、重い周波数を速攻解除し、一旦フラットにすることができました。

 

フラットにしたら、次はどんな行動に出るかです。

 

こういう時私は、自分が一番したくないことを考えます。

 

 

Aさんは、「夫と話しをしたくなかった。」そうです。

 

だから、真逆の方法で行動に移します。

 

 

 

ご主人と一緒に庭に行って、これがフジバカマで、アサギマダラという蝶が、初夏から秋にかけて越冬するためにこの花の蜜を吸いに来るのを、私は楽しみにしていることを話す。

 

「じゃあ、私は犬の散歩に行ってくるね。」

 

と、出かけて行けば、苗を抜かれる体験をすることはなく、ご主人も自分のことを責めることもなく、夕食にはそんな話しをして楽しく過ごすことができました。

 

 

 

 

 

 

私は最近、心底思うことがあります。

 

 

以前は、誰かが私の思う通りにしてくれなかった時、ムカついたり、イラっとしたり、腹を立てたりしていました。

 

でも、我慢という方法を使って、その場を通り過ごしてきました。

 

そしていつも我慢をしているのは私で、あなたはそんなこと知らないでしょ?

 

と、特に家族に対しては、そんなふうに接していました。

 

 

 

 

そんな私が、感情は課題投下のサインだとわかってからは、自分の望む方へタイムラインを変更することができるようになりました。

 

と同時に、そのタイムラインを選択しなかった真逆の世界も同時に存在していることもわかるようになりました。

 

 

もし、Aさんが、ご主人と普段から会話をしていれば、おそらくフジバカマの苗をもらった時点でその話しをしていたことでしょう。

 

もう既に、苗を抜かれてしまうというこのタイムラインに乗ってしまっていたわけです。

 

ただ、Aさんは、自分の怒りの感情に気づいたことで、苗をもう一度生かすことができました。

 

気づくことができれば、タイムラインは変更され、必ず助っ人が入ります。

 

 

 

タイムラインは、いつだって変更可能で、自分の望む方向へと舵を取ることができます。

 

 

それはまるで、目の前に、

 

 

 

荒れた海と、

 

 

 

晴れた海を観せられて、

 

「あなたは、どちらの海に進みますか?」

 

と、ガイドから質問されて、

 

「晴れた方を選びます。」

 

と言った途端に、荒れた海が現れ、

 

「嵐の方を選びます。」

 

と言った途端に、晴れた海が現れるような感覚です。

 

 

 

 

私の自我が嫌がることの向こうに、素晴らしい世界がいつも広がっています。

 

そんな世界を観せてくれるこの世のしくみは、素晴らしいとか、感謝するとか、そんな言葉では言い表せないほど、凄いと思わずにはいられません。