「おはようございます。」
職場に行って、あいさつをしたのに、その人はあいさつを返してくれない。
私は、寂しい気持ちになる。
私が何か悪いことをしたのかと、その瞬間から頭の中で、その人と関わった場面がぐるぐると回りだす。
1日中仕事に集中できずに、そしてミスをする私がいる。
そうやって、毎日々不安の中にいる。
幼い頃、私が会ったことも見たこともない従妹と、比べられた。
両親は、その従妹はよくできる子なのに、私はダメな子だと、
あなたは、おかしいんじゃないかと、いつも私にそう言ってきた。
女の子なのに、身長がどんどん伸びて、高校になっても伸びて、母からは
「どこまで大きくなるの。また服が合わなくなる。」
そう言われた。
うちの家の近所には、何故かお金持ちばかりがいた。
うちの家だけだった。貧乏だったのは。
私は貧乏だと思ってもなかったし、何も困ってはいなかったのに、
母は、貧乏だと言い続けた。
その記憶は、私をダメな人間だと、価値がない人間だと、私に呪文をかけた。
ダメな人間なんて嫌だ
価値がない人間なんて嫌だ
もう、そんな私でいるのは嫌だ
だから、頑張った。
誰からも好かれる、誰からも尊敬される、誰からも頑張っているね。
そう言われるように頑張った。
頑張って、頑張って、もうすぐ手が届きそうになると止めてしまう。
頑張って、頑張って、今日も頑張ろうと思うのに、ミスをしてしまって、みんなに白い目で見られる。
あぁ~また聞こえる
「あの子は、ダメな子」
「あの子は、おかしいんじゃない?」
「この仕事、合ってないないのよ、辞めた方がいいんじゃないの?」
やっぱり、私はダメなんだ。
やっぱり、私には無理なんだ。
やっぱり、私はおかしいんだ。
まるで、綱引きをしてるみたいだ。
ダメな私と、頑張る私の綱引き。
ダメな私とさよならしたくて、頑張る私が綱を引っ張る。
しばらくは頑張る私の方が勝っているのに、ダメな私の方へ引きずられる。
ダメな私をよく見ると、とてつもなくでかくて、一生懸命頑張る私の方へ綱を引っ張っても
綱を指でつまんでいる程度。
私なんかとうてい勝てない。
無理無理無理~~~
でも、ある日気が付いた
なんだ、頑張ってる方の私が、この持ってる綱を手放してやればいいんだって。
もう頑張らなくていいんだって。
あはははは
急に私が持ってる綱を放したから、ダメな私がひっくりかえっちゃった。
でも、ありがとうね。
今まで、私と一緒に綱引きしてくれて。
本当にありがとう。
あなたがいてくれたから、私も頑張れた。
きっと、あなたがいてくれなかったら、こんなに頑張れなかったよ。
あなたの為にも、この頑張った私をこれからの人生に活かしていくね。
本当にありがとう。