50年、会っていない

実の母の消息がわかった。





驚いたことに

子どもの頃に

住んでいた町に

居るではないか。


しかも、

50年前から現在まで

子どもだった

私の行動範囲の中に。


会いに行くつもりはなかった。

生きているのか気になっただけ。


でも今、会わなければ

永遠に会わずじまいかも。


そう思った時

娘が一緒に行ってくれると。


なら、今だ!と

幼い時を過ごした町へ。


母の住む家へ、

出てきた人は若く見えて

母の名を告げ呼んでくださいと。


すると、私が本人だ、と。


私の名を告げるが

私の娘はそんな顔ではない、と。


父の名や兄妹の名も告げるが

終始、不審者を見る目だったので

人違いでした、と帰ってきました。



少しホッとしました。

とても健康そうで顔色もよく

身なりも清潔だったから。



きびだんご屋を見つけた。

もう記憶はあやふやで

どこにあるのかすら

わからなくなっていた。


懐かしの吉備団子を買い

もしかしたら二度と

来ないかも知れないこの町。


言問団子に長命寺の桜餅を買い

そして小学校を見て帰ってきました。



一つだけ心残りは

幼稚園を見てこれなかったこと。


あまりの暑さに

わずか数分の道のりも

歩く気になれなかったキョロキョロ