※このお話は個人の妄想(BL)であり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。


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大浴場を出て俺たちはサウナブースのほうへ移動する。
ここは昔ながらのレトロな銭湯だから、付属するサウナルームもとても狭くて。
座席が階段状に2席×2の、MAXでも座れるのが4人。
だからなのかどうかは分からないが、あまり利用者はおらず、基本無人のようだ。


なのでこの狭い空間に翔くんと2人きり。。
しかも上下じゃなくて隣り同士に座ったから、ちょっと動いたら翔くんの身体に触れそうな。


……いや、、そりゃ、、
家が狭いから布団増やすのも邪魔だしってことで、相変わらず俺たちは1つの布団に寄り添って寝てるんだけど。


その時はこんな、、裸じゃないし、、


俺はちらっと翔くんを横目で見る。。


壁の温度計が指し示すのは一般的なドライサウナの温度である90℃。
翔くんのがっしりとした二の腕の筋肉がうっすらと汗ばんできて、、


しっとりと湿ったその肌が、、


……。。


何だか、、色っぽいなぁ、、


……って、、色っぽい、って……
おれ何考えて……


…………。。


……さっきから俺、、ほんとヘンだ。


俺が育った施設では、同室の人たちと一緒に風呂に入るシステムだったから、同世代の身体を見ることは日常的なことだったし。
その時にこんな、、意識することなんて一度もなかったのに。


「うーん。
身体の内側から温まってきたなぁ。
もう少ししたらこれが『ととのう』ってヤツになるのかな」


揺らぐ心を持て余す俺とは違い、翔くんはのんびりとご満悦だ。


「……でも頭がちょっと暑いかなぁ。
サウナハットを用意したほうがいいのかな。
潤は平気?」


「う、うん。。」


何だか落ち着かなくて、、俺がどもってしまったからなのか、翔くんが、


「……?
潤どうした?
顔が赤いぞ?
もしかして潤は、サウナのこもったような熱さは苦手なのか?」


そう言って俺の方に上半身を向けて、翔くんの手が俺の頬にそっと触れる。


「え、えっと……
別に苦手とか、、そういうのは特には、、」


翔くんの綺麗な長い指が
俺の頬に……


そして目の前には翔くんの隆起した胸筋があって。
胸の中央に走る縦の線に汗が伝って……


サウナルームの、、むせかえるような熱の中で、、
そして、、お互い腰にタオルを巻いているだけの、、ほぼ裸で……


「しょおくん、、
そ、そろそろ水風呂に行かない?」


「ん?
ああ、、そうだな。
ととのうためにはサウナと水風呂と休憩を効果的に繰り返さないと、だもんな」


翔くんが立ち上がり、俺も後に続く。


冷たい水風呂で身体を冷やしたら、きっとこの熱に浮かされたような不安定な情緒も落ち着くはず……


うん、多分。。