※このお話は個人の妄想(BL)であり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。



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※前話はこちらです※





「……すっごい、、寝ちゃったね、、」


「そうだね、ちょっと疲れが溜まっていたかな……」


せっかくのお休みを寝て過ごしちゃって。


窓の外に広がる夕焼け空に後悔の念がますます押し寄せる。


あぁ……と思わず俺が頭を抱え込むと、


「そんなに落ち込まなくても。
まぁ、俺もスケジュールをきっちり入れたいタイプだから気持ちは分かるけど」


翔くんがクスリと笑い、そしてふと思い出したように続けた。


「あのさ、、
たまには、、銭湯にでも行かない?」


「え?
銭湯?」


「うん。
最近気づいたんだけど、、この家から少し歩いたところに銭湯があるよね?
銭湯行ってゆっくりして、、帰りに何か食べたりして、、そしたら今から活動しても結構充実した休みの日にならない?」


「……!!
いいねそれ!
行こう行こう!」


うちのお風呂はトイレと洗面台が一緒のユニットバスなので極狭ということもあり、普段はほとんど湯船にお湯は張らずにシャワーだけだから。


ゆっくりと湯船に浸かったら、、気持ち良くて疲れもスッキリとれそう。


俺はルンルンで出かける準備を始めたのだった。



ーーーーー



「うわーーっ!
デッカい風呂は気持ち良いな!
な?潤!」


「う、うん……」


翔くんは大浴場の中で機嫌良く手足を伸ばしてくつろいでいる。


もちろん、俺も気持ちが良いんだけど……


……。。


しょおくん、が、、
はだかで、、めのまえにいて、、


その逞しい身体を見ていると、、


なんか、、
なんだか、、


…………。。


俺は何故だか、、よく分からない感情が込み上げてきて……


………………。。


何だか落ち着かない俺は、、大浴場のお湯に浸かってしゃがんだ姿勢のまま、ちまちまとあちらこちらに移動する。。


「んー?
どうした潤……そんなに風呂の中をウロウロして」


「……あ、、
いやその、、」


俺は今、、自分が感じている気持ちを上手く説明することができなくて……


「……えっと。
久しぶりに大きなお風呂に入って、、つい嬉しくて、、その、、
気持ちがソワソワしちゃって……」


なんて、誤魔化してみたり。。


「ははっ、なるほどね。
潤はまるで子どもみたいで可愛いな。
そのうちはしゃいで泳ぎ出すんじゃないか?
銭湯は遊泳禁止だぞ?」


「そ、そんなことしないよ!」


翔くんに子供扱いされて。


俺はむうっとふくれっ面になり、もう動くのは止めてじっとその場でお湯に浸かる。


だけどいつのまにか俺は口元まで湯船に浸かっていて、、吐いた息がぶくぶくと水面を泡立たせていて。。


「あはははっ。
肩まで浸かるどころか、唇まで湯に浸かっちゃってるじゃん。
潤はほんとに子どもみたいで可愛いなぁ。
でもそんなに浸かっていたらのぼせるよ。
そろそろ出てサウナルームの方にも行ってみない?」


「あ、うん、、
そうだね、、」


翔くんがざばっと湯船から立ち上がり、頭の上に載せていたタオルを腰に巻く。


しょおくんの大きくて広い背中にお湯の雫が伝う。
その水滴に大浴場の白い蛍光灯の光が乱反射して。
肩甲骨が天使の羽みたいにしっかりと浮き出ている。


程よく筋肉がついた、、その男らしい後ろ姿に。
俺は何故だか、、その背中に頬を擦り寄せて、、



……

抱きつきたくて……



…………。。


……え?
今俺、、何考えてた?


……。。


俺、、やっぱり何か変だ。
ホントにちょっとのぼせちゃったのかな。。