※このお話は個人の妄想(BL)であり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。
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「……そうか……
そんなことが……」
翔は何も言葉を挟まず潤の話に耳を傾けていたが、やがてゆっくりと口を開いた。
「……潤、、
ごめんな……
気づいてやれなくて……」
「……そんな!
どうしてしょおくんが謝るんだよ……!」
話しながらいつのまにか潤は涙を流していて。
「……いや、俺が悪い
子どもの頃から俺は潤のことを見てきたのに……
……潤は仕事を始めたばかりで色々忙しいかと思って、、とりあえず今はお互い自由にしていたほうがいいのかと、、
……いや、言い訳だな……
結果的に俺は潤から目を離しすぎてしまったんだ……
……辛かったな、、潤……」
翔はその長い指でえぐえぐと泣きじゃくる潤の涙を拭く。
「……ううん、、そんなこと……
そもそも、七之助のことは嫌いなわけじゃないし、、むしろ好きだし……
何より七之助の、、歌舞伎への真摯な気持ちも分かるから……
でも、、俺は、、」
「……ん……?
潤は、、なに……?」
とても穏やかに、、翔は潤に尋ねる。
「……おれ、、おれ……」
この気持ちを何と表せばいいのか
潤は上手く表現できないのだ
「……潤は、、
キングだなんだって言われていても、、まだまだ子どもなんだよな……
……まだちゃんと自覚していない潤の本心を、、俺が今から教えてあげるよ……」
翔は潤を柔らかな表情で見つめて……
「俺が潤の気持ちを、、はっきりと言葉にしてあげるから……
……潤は、、俺のことが好きなんだよ……
……それから、、もちろん俺も、、潤のことが好きで……
……潤のことを愛しているよ」
「……え……」
潤は涙で潤んだままの大きな瞳を更に見開いて……
「おれは、、しょおくんが、、すき……
しょおくんも、、おれを、、すき……
……あいしてる……」
「……そう。
俺は潤を、、愛してるんだよ
潤は、、どう……?」
潤は心の中の霧が一気にぱあっと晴れたような気持ちになって……
思わず早口になる。
「……おれも!
おれも、、そうだよ!!
……どうして今まで、、分からなかったんだろう……!
こんな、、当たり前のことに……」
「……ふふ……
……別にまだ、、急がなくてもいいと俺は思っていたんだけどね、、
……潤からさっきの、、七之助くんの話を聞くまでは……」
「あ……」
潤が気まずそうに目を伏せる。
「……そんな顔をしなくてもいいんだよ……
これからは俺が、、潤の全てを包み込んで、、何からも守ってあげるから……
おいで、、潤……」
翔が潤に手を差し伸べる
潤は吸い寄せられるように翔の胸に 抱 かれて……
2人の顔は自然に近づき、、深く熱い 口 づけを交わしていたのだった。
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翔と潤はベッドの海に沈み込む
ゆらゆらと波に揺蕩うように……
あるいは猛々しく 翻 弄 されるように……
ああ……
潤の心は感動で震える
これまで自分のしてきた行為は何だったのだろうかと
七之助とのことは、ただ……
……請われるままに、、抱 いてきただけだったから
心が無く「抱 く」ことと
愛し合って「抱 かれる」ことが
これほどまでに違うなんて
めくるめく愛の渦に呑み込まれ
熱情の海に押し流され
激しく
優しく
狂おしく
甘やかに
乱れて……乱されて……
刹那のようで、果てない時……
愛の海に溺れる潤は、翔をよすがとして漂い続け……
翔の手によって潤の固い蕾はほころび……
潤の奥にある、、秘められた深い場所で……
ぴったりと重なり、、繋がって……
大きな 悦 びを分かち合い……
潤は現実なのか夢なのか分からないまま、意識を飛ばしてしまったのだった。