※このお話は個人の妄想(BL)であり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。


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頭も良くて見た目もカッコいい翔くんとともだちだなんて、何となく引け目を感じちゃう俺なんだけど……。。


「……??
潤、どうかした?」


翔くんがキラッキラした「ん?」って表情で、黙り込んでしまった俺の顔を覗き込むから。


「……いや、、
そのあの、えっと、、」


俺は落ち着きなくもじもじしてしまって。
そうだ、と話題を変えてみた。


「……しょおくんて、フレンチトーストが好きなの?
さっき、職場の販売規格外のパンを貰って帰る時、たくさんある中から真っ先にフレンチトーストを選んでいたから……」


「……あ、、
へへ、そうなんだ。
俺すごくフレンチトーストが好きなんだよね。
菓子パンにもフレンチトーストってあるんだなって思ったらつい手が伸びて……」


翔くんが照れ笑いを浮かべる。

つかしょおくん、市販の菓子パンにもフレンチトーストがあるってことを知らなかったのか。



……今まであまり、スーパーへ自分で買い物に行くってことをしてこなかったのかなぁ、、

ぼんやりとそんなことを思ったけど、とりあえずそこには触れず。


「……そうなの?
じゃあ今度、、俺が作ってあげる」


何気なく俺がそう言うと、


「えっ?
すごい!
潤、フレンチトーストなんて作れるんだ!」


翔くんの表情がぱあっと明るくなったから。


「……全然作れるよ。
フレンチトーストなんて簡単だし、、
……多分、工場で作る菓子パンのフレンチトーストよりは俺がつくる方が良いと思うし、、
……あ、俺の料理の腕前がどうこうっていうより、フレンチトーストは工場の既製品より手作りするほうが美味しいかなって」


「そうか、、
そうなのかな?
……実は俺、料理とか全くできないからそういうのがよく分からなくて。
じゃあ楽しみにしてる!」


翔くんの笑顔が少年のように可愛くて。
色々と気になるところはあるけれど、、フレンチトーストをつくるために今度工場から食パンを貰って帰ってこなきゃな、、なんて俺は思うのだった。



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家について。


職場から貰ってきたパンでご飯を済ませ、シャワーを浴びて歯磨きをして。


明日も仕事だし、さぁ寝ようとなった時。


「……あのさ。
俺ずっと潤の布団占領しちゃってて……
ほんと申し訳なかったなって。
ごめんなさい」


翔くんがぺこりと頭を下げるから。
俺は慌てて首を振る。


「そんな、、いいんだよ!
しょおくん、すごく体調が悪かったんだし。
俺は全然、並べた座布団で平気だし、、
これからも布団はしょおくんが使ってもらって大丈夫だから……」


「いやそんなわけにはいかないよ。
今日からは俺が座布団使うから……
あ、別に座布団無くても俺は畳の上に直でも大丈夫だし!」


「ええ?そんなそんな、、
ほんとに俺は大丈夫だから!
正直、うちの煎餅布団も座布団も、敷物の厚みという点では大して変わらないし……」


言いながら俺はちょっと恥ずかしい気持ちになって、昔からずっと使っている自分の古くて粗末な布団と座布団を見比べるのだった。