※このお話は個人の妄想(BL)であり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。
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穏やかな微笑みで櫻井さんが俺を見つめる。
えっと…。。
「あ、、はい。
俺も櫻井さんと仲良くなれて嬉しいです」
櫻井さんは笑顔を崩さず続けた。
「…これからも、、友達としてでいいから、、
こんなふうに、、一緒に飲んだりしてくれる…?」
「……?
もちろんです…」
……?
なんだろ…?
何となく、今の言い方に、違和感が…。。
…んん…?
俺は違和感の正体を探りたくて、少し思考を巡らせようとすると、櫻井さんが照れたように笑った。
「…あのさ、、
もし良かったら、、
潤くんに、、
俺のことも、、名前で呼んでもらえたら嬉しいな、って」
「名前って、、」
「ん?
俺の名前は『翔』っていうから…」
それはいつも画廊で受付帳に名前を書いてもらっているから知っているけど…。
「…でも、、
お客さまを名前でお呼びするなんて…」
俺が躊躇すると、櫻井さんが少しだけ食い気味に返してきた。
「…俺は画廊の客かもしれないけど、、潤くんの友達でもあるし、、
…あ、いや、、
無理にとは言えないけれど…」
櫻井さんがしゅんとしたから。
何だか普段の櫻井さんと違って子どもっぽい感じが可愛くて。
櫻井さんもちょっと酔ってるのかなぁ。
「…いえ、無理ってわけじゃないですから…
では、、翔さんかしょおくん、、どちらで呼ばせてもらおうかな」
「…ん?
今の、、両方、、もう一度言ってみて?」
「…え?
翔さん、、か、、しょおくん、、?」
「……潤くんて、、
『さん』づけだと普通の発音なのに、『くん』づけだと何だか舌足らずになって可愛いね……
だから『しょおくん』がいいな」
櫻井さんが嬉しそうにまた微笑んだから。
「…分かりました。
じゃあ、、『しょおくん』で」
言いながら俺は何だか恥ずかしくなって、再びワイングラスに手を伸ばす。
ちびちびとワインを舐めるように飲んでいると櫻井さんの瞳が躊躇するように揺らめいた。
「…あのさ、、
こんなこと聞いていいのか分からないけど、、
潤くんて、、恋人とか、、いるのかな…?」
「…え?」
俺が聞き返すと、しょおくんが俺をじっと見すえる。
その甘やかな視線に、、俺はどうしていいか分からなくて、、とりあえず正直に答えた。
「…いえ…
特には、、いませんけど…」
何となく息を詰めて、、しょおくんは俺の言葉を待っていた気がして。
俺がそう答えるとしょおくんは、
「…そっか、、
良かった…。。」
と、何故か安心したようにほうっと深く息をついた。