※このお話は個人の妄想(BL)であり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。


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2人の会話をぼんやりと見ていると、櫻井さんが俺のほうに顔を向けた。


「あ、、ごめん。
紹介するのが遅くなって。
こちらはこの店のマスターの相葉雅紀さん」


するとそのマスターは再び辺りを照らすような笑顔でぱあっと笑う。


「こんばんは!
いらっしゃいませ!
Ai barの相葉です!
今日は来てくれてありがとうございます!」


ハキハキと挨拶してくれてぺこりと頭を下げてくれた、、んだけども。。


あいばーのあいば…? 


「ふふ…
店名がコイツの名前なの。
入り口に書いてある店の名前、、見てなかったかな?
【Ai bar】って。
店の名前がダジャレ風でユニークで、、ちょっと面白いんだけど」


「面白いってなんだよ!
いいじゃん俺の店の名前!
そう思わない?えーと、、」


相葉さんの語尾を引き取り櫻井さんが今度は俺を紹介してくれる。


「…こちらは松本さん。
プライベートの松本さんと会うのは、、実は俺も今日が初めてなんだけど…」


「あ、そうなんだ?
出会いに感謝だね!」


「はは…
確かに」


あっけらかんとした相葉さんの言葉に櫻井さんが微笑んで。


「は、はじめまして。
松本潤です」


とにかく俺も慌てて頭を下げた。


「松本くんか。
今日は来てくれてありがとうね。
で、さっきの話なんだけど、どう思う?」


「…え?」


「この店の名前。
俺の苗字とかけてるの。
良くない?」


相葉さんはにっこにこしている。


「おいおい。
そんな聞き方したら悪いなんて言えないだろ。
松本くんを困らせるなよ」


櫻井さんが眉を下げた。


「だってしょーちゃんが『ダジャレ』なんて言って馬鹿にするから!」


相葉さんがぷうっと頬を膨らませる。


「はは、、
ごめんごめん。
馬鹿にしたつもりはなかったんだけど…。
言い方が悪かったかな。
俺は良い店名だと思うよ?
短くて覚えやすいし、マスターの名前込みで記憶してもらえるし。
店名の由来を話したら結構頭に残りやすい名前だと思うしね。
せっかくお店を開いたのだから、やっぱりお客さんの頭にこのBARの存在を印象づけることが1番大切だから」


いかにもビジネスマンらしい櫻井さんの視点。
そして2人がふと俺を見たから。
つい俺も思ったことを口走ってしまった。


「…はい。
俺も素敵な名前だと思います。
覚えやすいのもそうだけど、、
なんだか、、ここが、、【愛の場所】みたいで」


「「…愛の場所?」」


櫻井さんと相葉さんが声を揃え、ますます俺を見つめるから。
俺はなんだか気恥ずかしくなって小声で答えた。


「…え?
だって、、
Ai bar…相葉…愛場で…」


2人の綺麗な二重の目が明らかに点々になったのが分かった。