「…へー。
良かったですね」
次の日の学校で、俺は早速ニノに昨日の報告をした。
「…で?
その櫻井さんは、潤くんの『運命の赤い糸の相手』っていうのを信じてくれたんですか?」
俺はにまにましながら答える。
「んー?
『潤くんが運命の相手かどうかは俺には正直分からなかったけど。
でも、潤くんが一生懸命なのは伝わったよ』
って♡」
「…信じていないじゃないですか…」
俺はキッとニノを睨みつける。
「いいのっ!
これからなのっ!
LINEだって教えてくれたし、また会ってくれるって言ってたし、家にも来ていいって言われたもんっ!!」
「確かにそれは前進ですね」
ニノの言葉に、俺はつい満面の笑みになった。
「でしょでしょ?
俺頑張っちゃうんだー♪」
「…でもその人、恋人いるんですよね?
そこは大丈夫なんですか?」
「…うーん、、
よく考えたら、いるともいないとも言ってなかったんだよねぇ、、
とりあえず前進したのが嬉しくて、そこはっきり聞くの忘れてたんだけど…」
俺はつい顔を曇らせる。
「…潤くんさっきから表情がコロコロ変わってとても魅力的ですよ。
だからきっと上手くいくんじゃないかと思います」
「本当?
ニノにそう言われると自信持てちゃうなぁ〜!
ありがとう!!」
俺は嬉しくて顔をぱあっと輝かせた。
そんな俺を見て、ニノはふっと笑う。
「…本当ですよ。
俺が潤くんの言う、『運命の赤い糸の相手』じゃなくて残念だったなとちょっと思ったりします」
そう言ってニノは前を向き、教科書を出して次の授業の準備をし始めた。