J side
アーティスト故の独特の感性を持ち、俺らの中でも運動神経抜群の智は、多分セ ックスもスポーツや遊びの一種か同列くらいにしか思ってない。
だから智とする行為はとても楽しくて刺激的で。
その最中に噴き出す汗も、まるでライブ中の汗みたいに心地良くて爽快な気分になる。
多分智には俺以外にも普通にセ フレがいるはず。
「今日はどっちが先攻?後攻?」
「なんだよその言い方野球かよ」
「子どもの頃、野球選手になりたかった潤くんにぴったりでしょ」
「プロ野球だったら普通アウェイが先攻だけど。でもそれだといつも俺が先攻になっちゃうなぁ。場所いつも智の家だし。」
「んじゃジャンケンで決めるか」
「勝ったほうがどっち?」
「勝ったほうが先攻!」
じゃーん、けーん、、と大きな掛け声。
「よっしゃ勝ったー!!」
智がガッツポーズして喜ぶ。
「なんだよ智、今日入れたかったの。
じゃあそう言えばいいのに」
「勝負して勝ち取ることが重要なんだよ」
そう言いながら器用な手つきで俺の服のボタンを外していく。
「潤くん相変わらず細くて真っ白!
ちゃんと食べてる?俺と釣りかキャンプ行く?」
「痩せてるほうが服も着こなせるし、カメラ映りも良くなるからいいんだよ。それに釣りかキャンプ行ったって、焼けるの顔と手だけだろ…っつ、、」
智が俺の 胸 のホクロに 吸 い付く。
強くちゅうっと 吸 われてその部分の皮膚が赤くなった。
「…日焼けしたら潤くんの皮膚はまずこんなふうに赤くなっちゃうかな」
「あんまり痕つけんなよ」
「…ふふ、そうだね。アイドルとしての自覚をちゃんと持たないとね」
智は顔を上げ、俺の背中に腕を回し強く抱きしめ、キスをしてきた。
「ん……」
唇を離した後、俺の肩に智が顔を埋めたから、智の温かい日なたのような匂いが襟足から立ち昇る。
アウトドアをする人特有の、健康的で乾いた匂いはなんだか俺を安心させるから。
俺は鼻から大きく息を吸いこんで、全身を智の香りで満たした。