「…潤、、大野さんもう体力が残っていないみたいだから、、こっちにおいで」
潤くんが静かに俺の下から抜け出す。
おいおい、翔ちゃん3連続かよ…なんてぼんやり考えていると。
2人は向かい合って、俺の目の前でキスをし始めた。
お互いの手をぴったりと合わせて。
指の1本1本までしっかりと絡めて。
2人の 舌 は俺からはっきりと見えるくらい 濃 密に重なり、柔らかく 縺 れあっている。
翔ちゃんと潤くんの、お互いを見るお互いの目は、本当に愛おしそうで。
俺は心の奥から暗い炎のようなものが生まれてくるのを感じ、考えるより先に潤くんの腰を 抱 いて自分のほうへ引き寄せてしまった。
引き寄せたのは。
潤くんを翔ちゃんから取り返したかったのか。
それとも、翔ちゃんを潤くんから引き離したかったのか。
自分の気持ちが分からない。
混乱している。
分からない。
分からないけど。
とにかく俺は口を開いた。
「…なんだよ、、俺の体力がないって?
誰に向かって言ってるんだよ。
そもそも、翔ちゃんが邪魔したんだろ?
潤くん返せよ」
翔ちゃんはちょっと目を見張ったけど、すぐに表情を緩めて、
「…そりゃ悪かったね。じゃ、俺シャワー浴びてくるから、後は2人でごゆっくり」
そう言って、あっさり寝室を出て行く。
潤くんが俺のほうを振り返りにっこり笑った。
そして俺の首に腕を回す。
翔ちゃんがいなくなった後、潤くんは、俺だけを見て、俺だけに尽くしてくれた。
俺はますます潤くんに夢中になって。
ーー
翔ちゃんが部屋に戻ってきた。
だけと翔ちゃんはもう俺に触れてはくれなかった。
そのことが心にさざなみを立てた気がしたが、俺はその気持ちを見ないことにした。