<~Sorciere~4 青嵐>


あの雷を連れてきた灰色の雲が、今度は雨を流している。


無数に降り注ぐ雨は、僕の姿を隠し、君への想いも隠そうとしている


そして、はじめから何もなかったと見せかけるために


永遠に降り続けるのかもしれない。


僕が君を諦めるまで・・・


君が僕を望まなくなるまで・・・


「いいの?私はあなたと一緒になることはないわ」


それでもいいの?


罪はここから始まった・・・


あの時、君が呼びだした秘密の場所に行かなければ・・・


そして、甘い言葉に耳を傾けなければ・・・


始めることはなかったんだろうか・・・


でも、たとえそうだったとしても、きっと僕から始めていたに違いない。


君が連絡をくれないのなら、僕が行き・・・


そして君の髪の毛を掻きあげた耳に、優しく語りかけるだろう。


口移しで飲んだ酒が唇から伝ったときの


人差し指で拭った君の仕草の、なんと美しく艶めかしいことか・・・


そんな顔を僕以外の誰かが見ているという現実・・・


僕はどこまで我慢すればいい?


どこまで君を想い続ければいい?


はじめたのも二人ならば、


やめるのも二人なのだと思っていた・・・・


でも、違うんだ・・・・


君はそこまで僕を望んではいない・・・


君の生活にひびを入れる僕は、もう逢ってはいけないのかもしれない。


君が僕を望まなくなるまで・・・


そんなのは僕の小さな希望でしかない。


本当は・・・君は僕のことなど愛してはいない気がする・・・


そんな気がする・・・