<こなゆきの恋>

この背中に翼があったらいいのに・・と思う夜は毎日で・・・。

どうして同じ街に行かなかったんだろうと後悔を何度もした。

あなたは2歳先輩で雪が降る冬の街に行ってしまいましたね。

どうしてそんなに遠くに行ってしまうのか・・とあなたを責めることはできない。

あなたがその街の大学を選んだことも、その街で勤めて生きていくと決めたのも

あなただから・・・・。

でも、本音は帰ってきてくれるって思ってた。少しは期待してたのよ。

「お前がこっちにきたら?」

そう簡単に言ってしまうあなたは・・・既に私の知らないあなたになってしまったのかもしれない。

それを認めたくなくて、私はあなたと恋愛をしているんだと思い込んだ。

毎日の電話もメールもいつしか私からだけなんだという事実にも目を向けないようにした。

心が凍ってしまいそうな夜にもあなたとの距離を感じて泣きました。

会いたいときにあなたが傍にはいない。

辛くて辛くて・・・涙は枯れないものなんだと初めて知りました。

この辛さをあなたも感じてくれているのだと信じていた。

でも、、違ったのよね。

発信音の先に必ずいる筈のあなたには私じゃない誰かが傍についている。

それは悲しい真実。

嘘をついてもわかるんだ。

だから、「本当」を教えてくれないかな・・・。


あなたの口から・・・。

じゃないとあなたとその街で見た雪の美しさも憎んでしまいそうで・・。

まるで、あの時の雪の結晶が、あなたをがんじがらめにしてしまっている彼女に見えて仕方がないの。

私よりも傍にいることができる彼女。

あなたは知っていますか?

彼女自身が自分の存在を私にわかるようにしてきたことを・・・。

あなたがついている嘘の裏に二人の女が泣いていることを・・・

もう、終りにしましょうか・・・。

涙が雪になってしまうまえに、そして心の悲鳴が吹雪になるまえに。

でも、覚えていてほしい。


あなたのことを好きだった私がいたことを。

粉雪が降る夜には、どうぞあなたひとりだけでいて・・・。