こんばんは


リアルタイムでは途中からでしたが、ようやく、1話を初めから観ました。


とにかく、じわじわと恐怖を感じるドラマです。
視覚的な恐怖は存在しないのですが、知らぬ間に見えない何かが忍び寄っていて、ふと気がつくと、背中が何かゾクッとするような感覚があります。


そこから受けるイメージや周囲からのさまざまな情報を受けて、その対象を「怖い」と感じることはありますが、ある意味、その「感情」が物語を動かしている印象です。


ユースケさん演じる主人公・武内のたたずまいからして、「普通でない」雰囲気があり、彼がそこにいるだけで、不穏な空気が広がります。
これは、ユースケさんならでは、ではないかと思います。陰のオーラがものすごいです。


武内についての描写は多くありますが、インパクトがあったのは、引っ越しの挨拶の場面です。
持ってきたものがあまりに多くて、観ていて困惑してしまいました。
私の感覚では、他意はなくとも、初対面の人に、あんなにたくさんのものは配れません。
それゆえに、若干の気持ち悪さがありました(-.-;)
自宅でバウムクーヘンを作る描写も、普通ではない雰囲気をかもし出していて、印象的です。


それゆえに、武内がいくら善意で介護を手伝っていても、なぜだかハラハラしてしまうのでした。
それも含めて、あまりにもスムーズに梶間家になじんでいくことにも、怖さを感じました。


梶間家のなかでは、雪見(優香さん)だけが、彼にただならぬものを感じて、疑念を抱いているようです。


怪しんでいるのが雪見だけであることに、若干の心細さもありますが、これは、致し方ないかも。
過去に因縁のある勲(伊武雅刀さん)はともかく、これまで義母の介護で手一杯だった尋恵(朝加真由美さん)や就活中の俊郎(大倉孝二さん)は、とてもそこまで気が回らないと思われます。
なので、しばらくは、彼女の感性と判断力を信じて、状況を見守る予定です。


あと、遺言書が読み上げられる場面で、尋恵の相続分が読まれたときは、思わず、戦慄を覚えてしまいました。
その文章を読まされることも含めて、皆がどんな思いでいたか…と想像するのもつらかったです。


余談ですが、佐藤隆太さん(過去の事件を追っている記者役)を観ていて、つい、「ナオミとカナコ」の林さんを思い出してしまいました(^_^;)
なんとなくまだ、面影があるような気がします。


雫井修介さんの小説を原作としていることで、おそらく、ストーリー上の破綻はないと思うので、安心しています。


恐怖、疑念、信用…といった、登場人物の感情が大きなウェイトを占めるドラマなので、物語を動かす数々の心理描写を、背中に恐怖を感じながらも、楽しんでいけたら、と思います。