こんばんは


先日ようやく、最終話まで観ました。
いや~
ものすごく惹きつけられる展開でした。
話が進むにつれ、直美と加奈子を応援したい気持ちが高まって、しょうがなかったです。


それがなぜだか、よくわからないのですが、罪により罰せられるべき、よりも、逃げられるものなら逃げ切ってほしい、という感情のほうが強くなるくらい、二人の思いに強く揺さぶられるようになったのは、確かです。


犯罪者なのに。理由や事情がどうあれ、罪に見合った罰を受けるのが筋なのに。
サスペンスものや警察ドラマを観ると、たいていそんなふうに思うのですが、このドラマは、なかなかそういう感情に移行できませんでした。
作り手の狙い通りだったかもしれませんが(^_^;)


たぶん…
直美と加奈子の人物描写がしっかりしていて、彼女たちが悲しみや苦しみを乗り越えようとするさまがすごく伝わってきたのが大きいのでしょう。
広末さんと内田さんの芝居に心をうたれた感があります。
ラストシーンでの笑顔がとても印象深く、どうか幸せな日々を…と願わずにはいられませんでした。


そして、達郎の加奈子に対する暴言や暴力が、あまりにも目に余るものだったのも大きいかなあ…。
序盤のそれは、インパクトが大きかったですから。女性としては本当につらく、腹立たしいものです。
極限状態におかれた加奈子を遠巻きに観るのは、とても心の痛むことでした。


服部家の家族が、そんな達郎の暴力性について知るのは、だいぶ経ってからでした。
姉の陽子が、達郎の捜索の過程で(達郎に暴力を振るわれた)女性に暴行を受けて発覚するまで、全く明るみに出なかったのですが、事実を受けての反応がそれほどなかったのは、意外でした。


陽子は、先頭に立って事件を追及する役回りなので、それについて苦悩したり、いちいち頭を下げてまわる隙はなかったのかもしれませんが…
果たして両親は、加奈子と話す時間を作れたのだろうか?
せめてそれらが、ラストシーンの「その後」に存在していてほしい、と思うのでした。


あと、余談ですが、高畑淳子さんは、最後まで素晴らしかったですね
李社長みたいな中国人が実際に居そうな気がするくらい、存在感がありました。


主人公たちが罪を犯してしまい、そのきっかけと過程が丹念に描かれたため、事件を追う者たちが悪者みたいに見えてしまう、という展開でしたが、毎回、ハラハラドキドキしながら、楽しく観られました。


好き嫌いの分かれるテーマですし、直美と加奈子のそれは、決して肯定されるべき価値観ではありません。
しかし、追い込まれた状況から次へ向かうため、必死で生きる二人の姿に、強く心を揺さぶられ、惹きつけられたドラマでした。