こんばんは


先日は失礼いたしました
m(_ _)m


と、いうことで。


気を取り直して、映画の話を始めたいと思います。


結果的に、家族の皆で観ることになったのですが、皆で観て、本当に良かったです。
表現すると長くなる、このなんともいえない感情を共有することに、すごく価値があったと思うのです。


昭和23年、原爆の日から大晦日までの長崎を舞台に描かれた、温かくて優しいファンタジー。
でも、ファンタジーというにはあまりに重い場面設定ゆえに、最初から最後まで、断続的に泣きながら観ていました。


やっぱり…
悲しいのです。
戦争って、原爆って、悲しいことなんです。


悲しい話になると、浩二(二宮さん)はフッと姿を消すのですが、私も、つられて悲しくなるのでした。
悲しさや空虚さ、そして喪失感が、世界を包んでいるようでした。


遺品がないから、亡くなったなんて、信じられない。遺骨も戻らない。
なのに、何もないお墓に、花をたむけ、お供えをし、そっと拝む。その虚しさは、はかりしれません。


そんな、8月9日のお墓参りの場面を観ていたら、戦争や原爆で亡くなった大叔父たちのお墓のことを思い出しました。
亡くなった、それだけ聞いても、実感がない…
たくさんの命が理不尽に奪われたことは、やはり許しがたいのです。


浩二がひょっこり現れてからは、回想と現在とが違和感なくつながり、混乱もなく、観やすかったです。


余談ですが、「町子がね!?」は、町子(黒木華さん)が教職に就いたことへの驚きと喜びなんですよね。独特のイントネーションと相まって、印象深いです(相葉さんのツボにはまって、しょっちゅう真似ていた台詞ですね)。


伸子(吉永小百合さん)と浩二が、戦死した長男の話をしたあと、浩二が「自分が死ぬのは運命だった」とつぶやくも、伸子が「それは運命じゃなくて、防げたこと」と否定する場面がありました。


実は、このくだりは、観る前に地元紙のコラムで取り上げてあるのを読んだので、軽くネタバレされた状況で観たのですが、次に何を言うかわかっていても、平静ではいられませんでした。


感情をこめて発せられた言葉たちに、私の心は揺さぶられました。
そしてなんと、浩二と同じタイミングで涙がこぼれてきました。
嘘だろうと思いましたが(^_^;)


原爆投下というのはそういうことなのだ、という思いや、運命だと思いたかったけれど、無理にそう思わなくて良いんだ、という、不思議な安堵感などがあふれたのかな?
今となっては、うまく説明できないのですが。


同じタイミングで涙が…といえば、伸子が涙したときとも重なったのですが、どの場面だったか、失念してしまいました(^_^;)


可笑しかったのは、伸子への上海のおじさん(加藤健一さん)の態度が気に入らず、はたきを持ってタイミングをうかがう浩二の姿。
笑いこそしませんでしたが、コントみたいで、笑えそうな場面でした。
「浩二、遠慮なく、はたいたれ!」って、心の中でけしかけておりました(笑)。


町子が、亡くなった同級生の母から受けた仕打ちのことを話し、「生きているのが申し訳ない」と伸子にこぼす場面では、戦争で生き残った者の苦悩と葛藤が透けて見えました。


町子といえば、アプローチを受けていた同僚(浅野忠信さん)との結婚を決意したとき、「浩二さんにどう詫びて良いか…」と伸子に泣きつく場面も、心に残ります。


時間の経過というのは残酷なもので、戦争や、原爆投下という事情があっても、状況と心境の変化には逆らえないもの。
伸子はそれをよくわかっていて、浩二を諭し、町子に助言し、黙って受け入れたのでしょうね。


伸子のラストについては、なんとなく予感はしていました。でも、生き延びてほしいという思いもあったので、それを受け入れなければならないつらさで、また、泣いてしまうのでした。


最後の教会の場面にて、涙を懸命にこらえていたのは、よく覚えております。
休日に一人で観ていたら、間違いなく、そして遠慮なく泣いていたでしょう(^_^;)


悲しさと虚しさをまといながらも、温かく優しい物語としてまとまっていた作品でした。


二宮さんが出演するから、というのも、観る動機のひとつでしたが、それよりも、この映画を観ることを、戦後70年を迎え、さまざまに思いをめぐらした2015年の総まとめのように捉えていたので、劇場で観ることができて、本当に良かったです。胸のつかえがとれたようでした。


良い戦争なんて、ないんですよね。
伸子の言葉たちが、じわじわと身にしみてきた時間でした。





全国最後発だからか、残念ながら、パンフレットの取り扱いはありませんでした(T_T)
その代わりに、チラシはしっかりゲットしてきました。


そしてロビーには、殺せんせーの声がうっすら響いていたような…
確かに姿はありましたが…気のせいでしょうか?


あ。
本当に余談ですが、二宮さんと同じく(笑)、サービスデーに観てきました(^_^;)