こんばんは


このドラマも、終わってしまいましたが…
7話までの感想を書きます。


中盤の展開は、動きがとても大きくて、驚きの連続でした。
特に、5話の後半は、かなりきつかったですね…。
それでも観続けているのは、自分でもすごいと思います。


純粋に誰かを想うことを繊細に描いているのは間違いないのですが、登場人物がひた隠しにしたい感情をえぐり出すような生々しい描写も時にはあり、観るたびに、心が痛みます。


失恋を経て、着飾らず前向きに、新たな道を歩み出した木穂子。
練へのかなわぬ想いがねじれて、危ういバランスで保たれていた人間関係を破壊してしまった小夏(森川葵さん)。
二人の対照的な歩みが印象深いですが、特に、小夏の爆弾発言には、ものすごくショックを受けました。


彼女自身の精神的な脆さは感じていたものの、そこまでの展開は予想できませんでした。
5年の間に何が起こったか、まだよくわからないのですが、心に大きな傷を負い、練によりかかって生きているようす。
まだまだ精神的に不安定な彼女が、客観的には、ちょっと心配です。


変わったといえば、評判の良くない仕事に就いていた練の風貌にも、驚きました。
中の人:高良健吾さんの演じる役のイメージからしたら、そう不自然ではないのですが、5話までの練のイメージが強いので、ショックというよりも、なんだか、悲しかったです。


それゆえに、もとの彼に戻ったときは、うれしかったし、ホッとしました。
7話の後半で描かれたこのくだりは、個人的にとても好きです。


渋滞の原因となっていた、車椅子で動けなくなっていた人を助けたり、忘れ物と思われる漫画本を届けようとして、その相手に階段で突き落とされたり(これは不憫)…という場面で、本来、練が持っている温かい人柄を描いたあとで、音が、練の祖父が持っていたレシートを読み上げ、練が祖父の思いに気づく、という流れ。


その構成が絶妙なうえ、レシートという、日常生活でのなんでもないアイテムで、感動をもたらすエピソードを描いたことが素晴らしいと思います。
確かに、レシートを見ると、その人の生活がなんとなく見えてくるものですが、そこから一歩進んで、その人の思いも浮かび上がらせるところが、すごいです。
思わず、目頭が熱くなりました(泣くとは思わなかった)。


もちろん、5年前とは異なる立場となり、大きな葛藤に立たされる朝陽、その朝陽と練、二人への感情に苦悩する音など、登場人物それぞれの行く末が気になります。


恋愛ものだけど、現代社会の光と陰が色濃く描かれていることで、群像劇のようにも思えます。


自分に引き寄せて捉えることはなかなかできず、客観的に、いわば、小説を読むように観ているので、のめりこむのは少し難しいですが、小さくとも、この心に何かが残ったら良いなあ。そんな気持ちでおります。