こんばんは


初回といっても、すでに4話まで観てしまっているのですが(5話はまだ観ておりません)、このドラマのことは少しでも書きたいと思ったので、観たところまでの感想などを書きます。


奥田英朗さんの同名小説のドラマ化で、内容がすごく挑戦的な作品なので、惹かれるものがあります。


主人公が、夫のDVに耐えかねた友人とともに、彼を葬り去ろうとする、という、ともすれば暗さでいっぱいになりそうな展開ですが、当事者の直美(広末涼子さん)と加奈子(内田有紀さん)の心情の流れが細かく描出されているので、不思議と、それほど気が重くならないのです。


替え玉まで立てて、恐るべき計画を実行しようとする彼女たちの行為を、肯定はできない。
でも、そこまでしたくなる気持ちがものすごく伝わってくるので、彼女たち自身を否定することもできていないのです。
達郎(佐藤隆太さん)の行動というか人間性が、本当に酷いんだもの…2話は特に。


ドラマの登場人物に対し、正反対の感情を同時に抱くという状況は、なかなかないので、感覚としては、かなり新鮮です。


登場人物がそれほど多くないので、人物についてもよくわかりますし、時に、情報が複雑化しても、さほど混乱は置きません。
例えば、直美が次から次へと妙案を出してくるのを、ドラマを観ながら頭の中で整理することができるのです。これは、ありがたいです。


登場人物の少なさは、役者さんをじっくり観ることにもつながります。


これまで、広末さんや内田さんの演じる、いろいろな役を観てきましたが、今回は二人の、「陰」の芝居に引きこまれています。


特に、内田さんの見せる、加奈子の「負のオーラ」は、印象的です。
太陽のように快活なキャラクターが多かった時代は、今となっては昔ですね。彼女の芝居は、すごく好きです。


あと、会社経営の中国人女性・李明美を演じる高畑淳子さんの存在も、強烈ですね。
直美との出会いからして普通ではなかったですから(^_^;)


いかがわしさを漂わせながらも、早い時期から直美の計画を後押ししていますが、車を貸した際、直美たちがシャベルを置き忘れたことを知っているなど、何かと鍵を握る人物になりそうです。


達郎が、直美の担当する顧客・斎藤(富司純子さん)が認知症であることに気づいたか?と思われる描写や、達郎になりすました中国人・林(佐藤さん・二役)が、ATMの操作をうまくできないなど、これはまずいのでは?という伏線もあり、必ずしも計画を実行できるかどうかわからないところに、ドキドキしています。


1話完結ものが多い中、人物描写を重ねて、物語を少しずつ編んでいくところに、連続ドラマならではのおもしろさを感じています。


直美と加奈子、二人だけの旅路。
もはや、後戻りはできない。
この物語の終着点はどこなのか、予想がつきません。


4話が、すごい「引き」で終わったこともありますが、今後の展開に緊張を覚えながら、観るのが、密かな楽しみになってきております。