3月5日と3月11日の真ん中の日に。





ただそこに
なんとなくたたずみ
風に吹かれていた


私を呼ぶ声が聞こえた気がした
思わず振り返る
でも
誰もいない


誰かの声を待っているのかな
誰かに見ていてほしいのだろうか


意識しすぎだな
いつもそんなに頼ってたわけじゃないし
こんなときにだけ優しさを求めても不自然だし
無理にいい人にしなくてもいいだろう


ただ
いつものように
そこら辺にいてくれたらいいや


用事があるときだけ声をかけるよ
かけないかもしれないけれど
いてくれるだけで
いてくれると思えるだけで十分だ


不安になったら
たまに背中を見て
追いたいときだけ追えばよいのだ
自分をそこに縛りつけないように
自分で勝手に背負いこまないように


いつもそこにいる
いつもそばにいる
だから
サヨナラは言わない


大切な場所に
大切な人に
大切なものに


今言えることは
ただ
それだけだ





それは「サヨナラ」ではない。
姿や形はなくても、風として、自分のそばにいてくれる。
そう思うこと、それだけで生きていけるのではないだろうか…。


というような思いを、ちょっとフィクションを交えて書いてみました。


一年一年、試されているようです。
そして、心を鍛えられているようでもあります。