こんばんは


やっと、最後まで観ました。
全体的な流れは重いものの、希望を見いだせるようなラストが、好印象でした。


大小さまざまな「事件」が、物語の大半を占めたものの、家族のありようや現実的な問題について考えさせられる側面もあり、私にとっては、観て良かったと思えるドラマとなりました。


いや~、壮絶でしたね。事件の犯人が、游子を連れて芳沢家に乗りこんでからのくだり。
二人があまりにも信念に真っ直ぐなので、観ていると、それが間違っている、という感覚が揺らぎそうになりました。危なかった~(-.-;)
役者さんの気迫を感じました。


最期も謎めいていましたね。深い傷を受けたまま樹海に逃げこみ、生死不明…と思ったら、新たな事件のニュースが流れてきて、もしかしたら、生きている!?と思わせるような描写もありました。


シャンプーの香りや普段の言動から、馬見原にすっかり疑われていた游子も、真犯人に利用されかけていました。
観ている私たちだけでなく、登場人物も、ミスリードされていたのですね…。やられた~、という感じ(^_^;)


クライマックスに近づくにつれ、三つのエピソードはだんだんとウェイトが小さくなってきましたが、馬見原パートがいちばん大きく動いていました。
駆け足ぎみではありました(被害者の息子さんが元気になっていて驚いた)が、馬見原自身が前進したので、良しとします。


氷崎家は、駒田が侵入した事件以外、後半はわりと落ち着いていたし、巣藤パートは、実森家の事件が実質的にクライマックスだったので、二人が事件解決に向けて行動をともにするようになってからは、全然心配していませんでした。
美歩の報告にも、ああ、そうなの、と思ったくらい(というか、すっかり忘れていたよ…)。


氷崎家に、巣藤と渓徳(と家族)が集うあの空間には、いつも、ホッとしました。いつまでも…とはいかないかもしれませんが、このドラマにおける、希望の象徴だったのかもしれません。


家族に問題が起きても、自分たちでどうにかしようと「閉じて」しまったら、誰もその問題に気づけないし、解決もできないまま埋もれて、大変なことになる。だからこそ、家族を「開く」ことを広めたい。
そんな游子の信念に、ちょっと心打たれました。勇気を出して「開く」ことって大事だな…。


事件は残虐で救いようがなく、それぞれの現実も厳しいけれど、家族のため、ひいては自分のために、心を開く勇気を持ちたい…。
観ていてしんどくなる時もありましたが、この時代に問いかけるべきことを多くはらんだ、意義深いドラマだと思いました。