こんばんは


まだ2話までしか観られていませんが
これはおもしろいと思います。


原作者が同じということで「半沢直樹」のテイストがありながらも、1話完結ベースで、主人公が女性で、ひたむきなキャラクターであること、さらに、ともに戦うパートナーがいるという点で、「半沢直樹」を観ていなかった人(特に女性)も楽しく観られそうなつくりになっていると思います。


花咲舞(杏さん)は、窓口からの異動で、臨店担当に。でもそこは、急ごしらえな、倉庫みたいな狭い部屋(でも、すごく明るくてスタイリッシュ…)。
そこに「相棒」な雰囲気もなくはないですが、基本的に、二人で解決していくので、話の構造がとてもわかりやすくて、とっつきやすいです。


まず、登場人物がそれほど多くなく、それぞれのキャラクターや役回りもはっきりしているので、この人誰だっけ…?みたいなこともなく、ストレスなく物語に入っていけるのが良いです。


舞は、窓口時代にかかわりのあった相馬(上川隆也さん)と再び組むのですが、この相馬という人が、ドライを装って、実は、人情味あふれる人なんですよね。
正義感が強く、何かを言わずにいられない舞を、彼は放っておけず、絶妙にアシスト。これはかなり心強いし、さらに2話では、舞に背中を押されて、「リベンジ」にも成功。
いつの間にか、舞のお父さん(大杉漣さん)とも意気投合しているし…
名コンビですね。


生瀬勝久さんは…「MOZU」では、主人公に理解ある上司なのに、ここではどうやら、臨店係を疎ましく思う、最後の敵役のようです(こういうところで混乱する)。
二人を見守るのは、辛島部長(榎木孝明さん)。この人がいる限り、臨店係は、たぶん、大丈夫ですね。


毎回の敵役の嫌みぶりも、ちょうど良いさじ加減ですね。
1話完結なので、「半沢直樹」ほどの強さはありませんが、テレビに向かって文句を言いたくなるのは、同じです。


また、ただ事件の発生から解決までをなぞっていくだけではなくて、行員の心情や、銀行のなんとも困った事情を、観る人の感情に訴えながら描いているのも、特徴的です。


1話での極端なコストカットには、男社会での女性の位置づけがはっきり見えますし、2話で登場した「手柄は上司のもの、ミスは部下のもの」という概念は、(すごく腹の立つ考え方ですが)銀行だけではなく、社会全体に広くのさばっているような気もします。


「そういうのはおかしい」と、舞が強く思うのは、至極まっとうであり、社会人として絶対になくしてはいけないものだと思うので、私は彼女に、ものすごく共感します。
私は、ちょこちょこ発言したりはしますが、ああいうふうに行動することはできないので、それこそ、いろいろと代弁してもらっているような気がして、ちょっと気持ち良いです。
と思う人は、特に女性には多いんだろうな…。


舞の実家のお店や、結婚式など、銀行以外の場所も登場し、ソフトかつコミカルに描かれるので、思っていたより堅苦しくなく、少しリラックスして観られます。
脚本家さんが女性だからかな。


そんな場面があるからか、多少流して描かれることはあっても、銀行で起こりそうな問題はちゃんととらえているのが、このドラマの肝ですね。


物語の軸がしっかりしていて、わかりやすく、重くなりすぎない。
ドラマ作りのツボをおさえて、上手く作られていると思います。