こんばんは
今日はちょっと、私事を書く日にします。


2011年3月5日。
実父の命の火が消えてから、まる一年。


法要はまだ先ですが、喪が明けることになり、一つの節目となりました。


昨年のこの時期、たくさんの励ましといたわりの言葉をいただいたこと、本当にうれしく、励みになりました。
改めて、深謝申し上げます。


このところ、どんなふうにこの日を過ごすか、いろいろと考えました。
そして、幸運にも休日なので、墓参や供え物などをして、ゆったりいこうという方向性ができました。


しかし、まさかの積雪により、墓参は不可能に。
午後、家族と出かけた私は、この一年に思いをはせながら、今日の私に何ができるか、ぼんやり考えていました。


そうしてふと浮かんだのは、父にコーヒーを淹れて、飲んでもらうことでした。


コーヒー好きで周囲からは有名だった父。
私が子どものころは、毎週、サイフォンで本格的なコーヒーを淹れてたしなんでいました。
子ども心に、サイフォンの中の動く様子が楽しくてたまらなかったのを覚えています。


晩年は、インスタントばかりでしたが、亡くなる前の日まで、毎日ずっと、家族にふるまいながら、自分でも飲んでいました。


だからきっと、あの日も同じように、コーヒーを飲んでひと息ついて、一日を締めくくるつもりだったのだと思います。


だから、今日、しっかり飲んでもらって、一年越しだけど、3月5日の一日をきっちり終えてほしいな、という願いを届けることにしました。


そう考えたら、感情が高ぶってしまって、温泉に浸かりながら泣いていました。
誰にも悟られないように。


かといって、本格的なものを揃える時間もなかったので、立ち寄ったスーパーで、小分けされたドリップ式コーヒーと、砂糖、コーヒーフレッシュを買って、私もいっしょに飲むことにしました。


この行動には、実は、ちょっとしたきっかけがありました。





前日の夜、「バーテンダー」を観て、主人公・佐々倉溜と父親との関係が、自分にも重なって見えたのです。


父親の願いに反発して、自分の思いを通したこと。
素直に向き合うことがなかなかできなかったこと。
死に目に会えず、自分の気持ちを伝えることができなくて、それを今でも後悔していること。
そして、父親は生前、飲み屋にて、子どもである自分のことを、誇らしく語り、うれしそうにしていたこと。


その、いくつもの描写に涙があふれ、偶然とはいえ、不思議な縁みたいなものを感じました。


放送されたのは、明けて5日の未明でした。
このタイミングで、あの役者さんが、自分とリンクしたキャラや親子模様を見せてくれたのは、ちょっと運命的だったかもしれません。


そして、ラストでの、亡き父親にカクテルを作ってふるまう姿がいつまでも目に焼き付いて、私にも何かできることがあるはず…という気持ちになったのでした。





夕食後、二人分のコーヒーをドリップして、父にはブラックを、私はそれといっしょに砂糖とコーヒーフレッシュを持って、仏壇に行きました。


去年のあの日、言えなかった、
「さよなら」
と、
「ありがとう」
を、ちゃんと伝えるために。


そうして、この一年にあったこと、考えたこと、変わったこと、いろいろ、後悔しないようにめいっぱい伝えました。


やっぱり、途中から泣いちゃって(T_T)
でも、言いたかったことは全部出せたかな。


私はもう、たぶん、大丈夫だよ。
これからは、お互い、自由に、楽しくがんばろう。


父には最後に、そんな言葉をかけました。


気がついたら、20分くらい一人でしゃべっていました
時計を見たら、「しやがれ」開始2分前…(^_^;)


閑話休題。


今日は、一つの節目の日。
私は、これまで以上に、自分の足でちゃんと歩くよ。
一歩一歩、確かに。


明日からは、これまでより、ほんの少し自由に。
父の願いを忘れずに。


相変わらず泣き虫な私だけど、それでも、しっかり生きていくつもりです。


なんだか感傷的になってしまいましたが、たぶん大丈夫です、私は。


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございましたm(_ _)m