「やなぎ虫だ、乳みてえで、もっとこうばしくてうめえぜ」それは3、4センチもあるカミキリムシの幼虫だった、高原の秋は、喰えるものに溢れている。

はぜて凹地にころがるクリ、ひと朝に斗やそこいらは老婆の量である。

野ネズミが集めた穴の中のクリ、クマが凹地へためた山のようなクリ。

クリの豊かだった話はいまも語りつがれている。