アネモネの花束 | くさはらの日々

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日々の瑣事のひとつひとつに新鮮な気持ちでむきあいたい....と思いつつ、くさはらの中で迷子になったような気分からの脱却。心と体と暮らしの変化を見つめていたら、いろんなことが少しずつ整いはじめた。思考の整理をお手伝いするibマッピングカウンセラー、やってます。

親にしてもらってうれしかったこと。
自分にも子どもができたら、してやりたいと思っていたこと。
いくつもあるけど、
そのひとつが、この花束を贈ること。







それが叶う日がやってきました。


今を去ることうん十年前、
私のはじめての高校受験の合格発表の日、
ひとりで発表を見に行ってくれた母が、
かわいい花束を帰りに買ってきて、
合格通知の入った封筒といっしょに渡してくれました。

色とりどりの花が入ったその花束は、
生まれてはじめてもらった花束だった気がします。
とってもうれしかった。

第一希望の高校ではなかったけれど、
最初の合格発表。
掲示板に私の受験番号を見つけた母は、
きっと安心してうれしかったんだろうな。

その後本命の高校に合格できたので、
その高校に入学することはなかったのだけれど、
その日にもらった花束は、
私の人生のうれしかったことベストテンに入るくらい、
心に残っています。

だから、私も我が子のはじめての合格発表の日には、
それと同じ花束を贈りたかった。

で、私の記憶では、
その花束の花はパンジーだとずっと思っていたのですが、
毎年この季節に花屋の店先を気にして見ていても、
パンジーの花束というのを見たことがないのです。

先日店頭で見かけて、
「あっ、きっとこれだ。
 あの時おかあさんが買ってきてくれたのは」
と思いいたったのは、
アネモネの花束。

そして今日、
娘が受験する3つの高校のひとつめの合格通知が、
速達で届きました。
やはり第一希望の学校ではありませんが、
はじめての合格通知。

先ほど買いに行ってきました。
近所の花屋二軒回ったけどアネモネはなかったので、
三駅先の先日見かけた花屋さんまで電車に乗って。





アネモネの花言葉のひとつは、
「明日への希望」
だそうです。

おぅ、なんとぴったり。

あの日の花束、ほんとにうれしかったよ。
おかあさん、ありがとう。
そしてこんどは、贈る側の楽しみを味わえるなんて。
娘よ、ありがとう。

本命の学校の受験まであとひと月ちょっと。
もうひとがんばり。

今日帰ってきたら、花束渡すの楽しみだな~♪

今日の晩ごはんは、娘のリクエストのオムライスです。





** 追記(2014.02.21)**

パンジーの花束、見かけました!! 今日!
あのアネモネの花束を買ったお花やさんの店先で。
やっぱりあったんだ~。
幻だと思っていた、パンジーの花束。

母がくれた花束は、やっぱりパンジーだったのかなあ?
まあ、どっちでもいいや。
うれしかったんだから。

でも、うれしかったのは、
花束そのものというよりも、
母が私のことで喜んでくれていると感じられたこと。
母が私のことを認めてくれていると感じられたこと。
だったのだと思うのです。

母は我が子を面と向かって褒める、
ということがあまりない人だったので、
私は母に褒められた記憶というものが、
あまり多くないのです。
子どもの頃は、
だめなとこ指摘されてたような記憶ばかりで。
それに、勉強しろとかもっとがんばれとか、
一度も言われたことがなかったので、
あんまり期待もされてないのかな、
と思っていたような。

それだから、
あの花束をもらった時、
きっと母は「おめでとう」くらいしか
言ってないと思うのだけど、
私はその後ろに、

「おかあさんもうれしいよ」
「よくがんばったね」
「ちゃんとまじめに取り組んできたのを知ってるよ」
「あなたを誇りに思っているよ」
「できてもできなくても、ほんとはどっちでもいいんだけどね。
 どっちだって、いつでもおまえのことは大好きだよ」
「でもやっぱり、うれしいよ、おめでとう」

という言葉を勝手にくみとって、
おかあさんが喜んでくれている、
というそのことがうれしかったのだろうと、
いま思います。