『見えないものを形にすること』

今日は久しぶりのお休みだった。

片付けをしていたら、10年前くらいの古いノートを発見。

そこには、鉛筆で走り書きした　彫刻家　船越桂さんの言葉が。

「私にとって作るとはほとんど見ることであり、
今まで見ることのできなかった何かを、
見えるようにすることかもしれない。」

この言葉は私に大切なことを思い出させてくれた。

私がやっていることも同じだと。

人の中に埋もれている美を引き出し、それを石を使って形にする。

オーダーでは、本人が見えていない本質の素晴らしさを形に表現することで、
「自分にはこんな美しさがあるのか」と気づいてもらう。

なかなか人は自分の美しさに気づかないもの。

だから、ネックレスやブレスレットに表現された美しさを見て、
自分の美しさに気づくことができるのだ。

オーダーじゃなくても、ルピアのジュエリーを見て
「きれいだなぁ、美しいなぁ。」と純粋に思う時、
その美しさはあなたの中にも存在する。

美しさは、美しさに呼応するものだから。

あらためて私は、自分の仕事の素晴らしさを再確認した。

これからも、この『見る力』を磨き、
埋蔵されている多くの人たちの美しさを伝えていきたい。

大好きな船越桂さんの作品集。久々に開いた。

よく展覧会にも行ったなぁ。
静かに佇む哲学的な作品たちは寡黙だけれど、耳をすまして真摯に対峙すると
実に雄弁で、さまざまなことを語りかけてくれる。

自分に真摯な態度が欠けていたり、内面がざわついていたりすると、
作品たちからは何も聞こえてこなくなる。
ある意味、見る者に厳しい作品かもしれない。

久々に作品集を眺めながら、静かな時間を過ごした。

船越さんの作品に感謝。

☆　今日のねこちゃんだより　