少年と水汲みバケツ
インドのとある村に、ラジという名の少年が住んでいた。
彼は毎日、水汲みバケツを持って、遠くの井戸まで水を汲みに行っていた。
その道中には、色とりどりの花や鳥、動物たちが彼の目を楽しませてくれた。
ラジは自然が大好きで、水汲みの途中でよく立ち止まって、花に話しかけたり、鳥のさえずりに耳を傾けたりしていた。
ある日、ラジはいつものように水汲みバケツを持って井戸に向かった。
すると、道の途中で見知らぬ男に出会った。男は白い服を着て、ひげを生やしていた。
彼はラジに笑顔で声をかけた。
「こんにちは、少年。君はどこに行くのだい?」
「こんにちは、おじさん。私は水を汲みに行きます。」
「そうかい。水は大切だね。でも、そのバケツは古くて、穴が開いているよ。」
ラジはバケツを見て、確かに穴が開いているのに気づいた。彼は驚いて、男に尋ねた。
「おじさん、どうしてこのバケツに穴が開いているんですか?」
「それはね、君が水汲みの途中で立ち止まって、花や鳥や動物たちと遊んでいるからだよ。君は自然を愛しているんだね。だから、このバケツは君の気持ちに応えて、水を少しずつこぼして、花や鳥や動物たちに与えているんだよ。」
「本当ですか?それなら、このバケツはとても優しいですね。」
「そうだね。でも、君は水を汲みに行っているんだから、水を無駄にしないように気をつけないとね。」
「はい、分かりました。でも、おじさん、あなたは誰なんですか?」
「私はね、君の友達だよ。」
「友達ですか?」
「そうだよ。君が自然を愛するなら、私も君を愛するよ。私は自然の一部なんだからね。」
「自然の一部?」
「そうだよ。私はね、水の神さまなんだよ。」
「水の神さま!?」
ラジは驚いて、男の顔を見た。
すると、男は笑って、水の粒に変わって、風に吹かれて消えてしまった。
ラジは信じられない気持ちで、空を見上げた。
すると、空には虹がかかっていた。
ラジは感動して、虹に向かって手を振った。
そして、水汲みバケツを持って、井戸に向かって走り出した。
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