ある日

--清麿くん!今度握手会やるの!来てね!--

--ぬ?握手会とは何なのだ?清麿--

--何よ、ガッシュ。そんなことも知らないの?恵とファンが握手するのよ、交流会みたいなものね--

--あ、ああ…きっといくよ!(交流会なんてものしなくても会ってるんだけどなあ…)--

 

--よお!高嶺!俺ら今度恵ちゃんの握手会行くんだぜ!いいだろう!--

--残念だったね、高嶺君。今はもう握手券は売れ切れてるんだ--

--高嶺もつれてってやりたかったなあ~--

--へ、へええ!そいつはよかったなあ!(こいつらに会わないようにしないとな…)--

 

 

当日

大海恵握手会会場にて

「人がたくさんなのだ!楽しみだのう!清麿!」

「本当、いつ来てもすごい人気だよなあ…恵さん…」

数日前に恵直々に握手会に誘われた二人は、大海恵の握手会に足を運んだ。

『握手券をお持ちの方はこちらにお並びくださいー』

スタッフが列を誘導する。

「お。行くぞガッシュ」

「うぬ!」

並ぶとそこは長蛇の列。その先に見えるのは大人気アイドルの大海恵。

一人一人のファンと約10秒ほどの時間を花が咲いたような笑顔ですごしている。

 

「いつも応援してます!めぐ大好き!」

「ありがとう!また来てね?」

 

「恵ちゃんかわいい!大好き!」

「わあ!本当?ありがとう!」

 

「め、恵ちゃん!お、俺、ツチノコみつけてくるので!そしたらみてください!」

「つ、ツチノコ?すごいね…?うん、楽しみにしてるね!」

 

「恵ちゃん、僕は今宇宙との交信をしているんだ、今度恵ちゃんにもUFOをみせてあげるよ!」

「UFO?素敵ね!楽しみにしてる!」

 

「恵ちゃん、俺将来Jリーガーになるんだ!恵ちゃんに俺のホームランを捧げるぜ!」

「本当!?すごいわ!応援してるね?」

 

ガッシュ達の順番が回ってきた。

『そちらのお子様と保護者の方…申し訳ありませんが、1枚ですとどちらかは握手ができないのですが…』

チケットを確認するスタッフが話す。

清麿たちはそれぞれチケットをスタッフに見せる。

「いや、俺たちは一枚ずつ持ってるので…こいつを先に行かしてやってください」

「恵からもらったのだ!」

「バカ!ガッシュ!…あははは…こいつ恵さんが大好きで、貰ったなんて思いこんでるんですよ」

「ぬ?何を言っているのだ、清麿。これは恵が誘ってくれたのではないか。それに私は恵が大好きだが、清麿も恵が大好きではないか!」

「~っっ!!やかましい!!早くいけ!!!」

 

「あら、ガッシュくん!来てくれたのね!嬉しいわ!ありがとう!!」

「うぬ!清麿と来たのだ!恵はすごい人気だのう!」

「ウフフ、あ。そうだ!ティオも裏で待ってるから終わったら会いに行ってくれる?」

「ティオが?わかったのだ!」

恵は優しくガッシュの頭を撫でる

「じゃあまた後でね?ガッシュくん」

「うぬ!」

笑顔でガッシュは恵に手を振り、舞台裏に走っていく。

 

「ど、どうも…」

「清麿くん!来てくれてありがとう!」

「恵さん相変わらずすごい人気だね…しかもこの握手会って周りの人からも見えるようになってるから余計に人の多さを知ったよ。」

「皆私のために来てくれて、少しの時間だけどお話ができてとても楽しいの!清麿くんともこうして握手できるしね…

「…え?」

「…っ!あ!そうだ!さっきガッシュくんがきてくれたの!

清麿くんも終わったらガッシュくんと舞台裏にいるティオに会いに行ってくれる?」

「ああ、…でも俺ら一般人が舞台裏なんて行ってもいいのか?」

「フフ、ティオったらずっとガッシュくんと握手会ごっこするって意気込んでたのよ」

「握手会ごっこ?なんだそりゃ?」

二人は笑い合う。

『あの、恵ちゃん、握手の時間が…』

「あああ!ごめんなさい!…清麿くん、来てくれて本当にありがとう!また後でね?」

「うん、ありがとう恵さん!」

恵は最後にぎゅっと清麿の手を握ってから離す。

その行動に清麿もドキッとする。

(さすが大人気アイドル大海恵…ファンサービス…っていうんだろうな…こういうの…)

 

 

その傍ら見ていた同級生達は…

「なあなあ、あれ高嶺とガッシュじゃねえか?」

「本当だ。なんか揉めてるな…ってガッシュも一人分としてチケット取ったのか?」

「簡単にとれないチケットなはずなんだけど…」

「ああああああ!なんだよガッシュのやつ。恵ちゃんに頭撫でられてやがる!」

「こういう時、子供になりたいとつくづく実感するぜ…」

「お。高嶺くんの番だね。」

「な、なあ…俺の聞き間違えじゃなけりゃ、恵ちゃんに下の名前で呼ばれてねえか?」

「そんなわけないよ。それよりなんか時間長くない?僕達の時はあんなスタッフの声かけなんてなかったよね?」

「そりゃあ…高嶺が恵ちゃんに話し込んでるんだろうな…迷惑な奴だよなあ…」

 

 

 

後日

学校にて

金山、山中、岩島は先日行われた恵の握手会について清麿の席の傍で話している。

清麿は頬杖をつきながら話に耳を傾けていた。

「恵ちゃん、可愛かったよなあ~」

「手のぬくもりも10秒間とはいえずっと残ったよね」

(ん…?10秒間…?)

「それに、恵ちゃんの握手は天使みたいな優しさで包み込まれたよなあ」

(ん…?優しかったが…ぎゅっと…最後に…?)

クラスメイトの話と自分が体験した握手会が違うことに気が付き、顔を赤らめる清麿であった。

 


 


 

 

 

 

 

読む必要のないあとがき

 

服装からわかる通り、石板編でありがとう!っていうシーンがあったらこんな感じかなあとか

ちゃおに連載されていたほうの花をプレゼントするシーンに対して恵さんから積極的に清麿の手を握ってお礼を言ったらこんな感じかなあという考えから至った。

お…?これはもしや…?アイドルだし握手会とかあるよな…(当時はAKBとかなかっただけだし…)コンサート中でもレス送りまくるしこのくらいはするだろうな…という妄想から書き終えた文章力の無い拙い作品。