何年か振りに|日本映画|が復活の兆しがあるといいます。これは大変うれしいことですが、あの60年前後の|日本映画|の華やかさには遠く及ばない。映画は|時代|と|観客|と|その内容|がバランスよく伴わないと、時代を作れない。


映画は必ず時代を先行している。いい時代には、いい映画がある。映画が映画館で公開されるとき、映画は旬のものであったはずで、昨今のようにDVDなどが出てくると、そのあたりがうやむやになった。映画を見ながら時代を引き出しながら、|生きているオレ|を映画の中に探しだそうとする。


ここのところに映画ファンとしての醍醐味を感じます。

日本映画の現場がつかみにくいらしい。大手の映画会社が映画の製作をしなくなり、小さなプロダクションが実際の映画製作に回り、企画前後の作品がたくさんあるのに、映画館がシネコン中心になり、日本映画界のヘンな形ができた。このほど発表されたが、昨年の日本映画の製作本数が外国映画を上回った―と、云われる。


60年代前後の大手の撮影所が立ち並んでいた頃とは違って、なにかみんな小粒です。東宝系に流れる作品に若干の宣伝費があるぐらいで、PR不足です。今年ぐらいから製作資金は外国産でもいいから集めてください。もういい加減|あの世とこの世|の恋愛映画はやめて、正統派の大人の映画を作ってください。


結局は内容です。いい脚本をみせてください。

クラシック音楽家では、ベートーヴェン映画は何本ぐらい映画化されてきたのかな。でも私がみたのは、みんないい。ベートーヴェンという愛犬の映画もあったが、いやあれもおもしろかった。


この映画のなかに採譜師という、譜面を写し書きする仕事のことが紹介されていた。あるときキャバレーのバンド・マンから、アルバイトに採譜をたのまれたことがあったが、これがなかなかむつかしい。慣れるまで半年、採譜する人の要領があって、大変だった。