月曜日のユカ(1964) | 日本映画ブログー日本映画と時代の大切な記憶のために

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日本映画をひとりの男が見続けます。映画はタイムマシンです。そういう観点も含め多様な映画を解説していきます。範疇は作られた日本映画全てです。

月曜日のユカ
1964年 日活
監督:中平康 主演:加賀まりこ、中尾彬、加藤武、北林谷栄

加賀まりこの事を小悪魔という人がいるが、この映画がそんな加賀のイメージをつけたのだろう。「乾いた花」と同時期の上映になった映画だが、ここではまだ加賀は松竹所属である。松竹は他社出演を認めたもののいい気持ちではなかったということだろう。まだまだ五社協定が強い力を持っていた頃の話だ。そして、ここでの加賀は篠田が描いたそれとはかなり違うテーストである。かわいくポップだ。パパがいて恋人がいる。男を狂わせながら奔放に生きるユカを楽しそうに演じている。コケイティッシュという言葉がこれほど似合う人も珍しい。

加賀は横浜でも評判の可愛い娘でクラブで働いていた。パパ(加藤)との情事も、恋人(中尾)とのデートも重みは同じで、皆が自分といて喜んでくれればいいと思っていた。そんな彼女だが、教会に通い、男たちと寝てもキスはさせなかったりする、変な女でもあった。ある日、中尾とデートしてると、加藤が家族と歩いているのを見る。娘に人形を買ってやる顔は加賀がいままでみたことのないうれしそうな顔だった。悩む加賀の前に昔の男(波多野憲)が現れる。加賀は彼に自分を愛してないのかと問う。波多野は彼女をクラブにつれていき男たちを振り向かせるようにする。若い男たちを教会に連れていき裸になり、「抱いて」というが男たちは逃げていく。男たちの気持ちがわからない加賀。加藤が日曜日に家族と楽しむなら私は月曜日だと決め、母親(北林)をつれて人形を加藤に買わせ笑顔をみようと考える。ホテルにいくと、加藤は外人といて、追い返される。中尾には一緒になろうと言われる。そして加藤にはさっきの外人と寝てくれとたのまれる。その夜、中尾が波止場で死んでしまう。加賀は加藤のいうことをきくが、外人がキスをむりやりしてくるので気持ちが悪くなる。追いかける加藤と波止場で踊ってると、加藤は海に落ちる。沈むのを見て、なにもなかったように加賀は歩き出す。

昨日の「乾いた花」より、かなり馬鹿で子供っぽい役である。本当の加賀は、この中間くらいだったのではないかと私は推測するが、彼女の演技の幅の広さには驚かされる。21歳でここまでできる女優が今いるだろうか?と思うと・・・・である。とにかく、女優として天性のものを持っていたのだろう。

中平監督は、もうこの頃には初期のスタイリッシュさは亡くなっているが、加賀を得ることで、この映画では結構のって撮っているようにみえる。加賀の表情を構図を楽しみながら撮っている感じなのだ。コミカルなシーンも多いし、まあ中平らしいフィルムだ。そして、ラストの顔がいちばんさえない顔というのがこの映画のおもしろいところ。中平監督、もしくは脚本の斎藤耕一、倉本聰の女性感なのですかね・・・。

男たちはとにかく、この加賀に振り回される。キスはさせなくても、簡単に寝てくれるからたちが悪い。そして、決してひとりのものにはならない女。それなのに、家族に嫉妬する。まあ、わかりやすいのだが、カワイイから成り立つというところだろう。

まあ、後ろ姿がほとんどだが、加賀の肢体はスレンダーで男心をそそる。そこにもうひとつ、カワイイ以外の加賀の魅力がないのがこの映画がもうひとつ跳ねない理由である。とびっきりの加賀まりこを見るのは良いのだが、主人公ユカに観客まで翻弄されて終わってしまうのはつらい。恋人もパパも死んでしまうし、ここでの加賀は確実に「さげまん」なのだ・・。

ということで、加賀の代表作にとりあげられることの多い映画だが、やはり加賀はもう少し、賢くて、一癖もふた癖もあるほうがいい。日活という色にもいまひとつ合わない感じだったのかもしれない。


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