裸足のブルージン
1975年 東宝(製作:ホリ企画)
監督:藤田敏八 主演:和田アキ子、原田芳雄、伊藤雄之助、山本伸吾、前田武彦
藤田監督作品をもう1本。この作品は百恵ちゃんの「絶唱」の併営作で作られた小品である。だからホリプロのタレントが多くでていたりしてアイドル映画的な部分もあるが、その中で原田は自由に演技してる感じである。ここでの原田の役柄はダメ男。彼の役柄を大きくわけるとカッコイイ無頼派と何のために生きてるのか?と考えてしまうダメ男があると思う。まあ、雰囲気的には中途半端がない人なのでわかりやすい。この映画はそのダメ男である。ラストにいたっても、主役の和田に「でてって」といわれるだけの人間であり、映画の中のピエロである。そう、原田芳雄の映画人生そのものが日本映画の中のいい意味での道化だったのかもしれないと、この映画を見て思った。
ひなびたドライブイン「サウスーポ」。亡くなったボクサー(和田浩治)の恋人だった和田が気のいい仲間や同居人を面倒見ながらやっている。そこに和田のジムのオーナーだった男(伊藤)がこの店をホテルに建て替えるからでていけという。板前の前田はそれを知らず、測量にきてた男とケンカをする。気ままな使用人(横山リエ)は恋人(大門正明)をつれこみ、みんなから怒られるが、そこに米兵がトラックを貸せと言いに来る。大門は彼らのバスをけん引するのを引き受けるが、崖からおちて死んでしまう。朝から大混乱の店だった。そこに和田を好きだった男(原田)がぶらりとやってくる。和田は「何しに来たの」というが、原田は気ままに米兵たちと賠償金の交渉をする。そんな詐欺話で生きているのだ。その日は和田浩治の三回忌だった。友人のボクサーがやってきて、伊藤も朝の答えを聞きにやってくる。店の二階では居候の山本が友人が持っていた青酸カリで伊藤を殺す計画をする。飲むは喧嘩するは殺人未遂はおこるは大混乱に。そして、朝、和田は店を手放すことを決め、壊しだす。朝の海にさわやかな風が吹いていた。
あるドライブインの中の1日の話である。ステージにセットをひとつ作って、ほとんどそこで撮られた低予算映画だ。テレビのコントを膨らましたような作品だが、藤田監督は実のない映画もなにか感じるものに仕上げてしまう。浪花節青春篇的なものだ。
原田は、来る前に「幸福の手紙」を送りつけてからやってくる。そんないかがわしさがやってくるという役だ。全編、ウィスキーの瓶を持って、酒をあおりながら歩き、過去に現在に愚痴をいいたいだけいって、最後は追い出されるという役。外見が格好いい男がやるから、せつなさがでるんですよね。なかなかしみます。
原田が最後に喧嘩を仕掛けるのは、和田浩治と昔闘ったというボクサーだ。この役、本当のチャンピオンだった西城正三がやっている。ドランカーぎみのボクサーが多い仲、彼はスマートで原田と対峙する芝居もなかなかである。
和田主演の映画だが、後半は原田や他の役者へのウェイトが高い映画で、内容はあまりないが楽しめる映画になっている。そこのところは原田がいてのテーストということだろう。
ホリプロの映画は自分のプロダクションの系列のタレントを多く出す傾向にあり楽しい。測量をやっているのはダウンタウン・ブギウギバンドだ。みんな、結構セリフがあり、前田武彦と立ち回りのシーンがある。また、自動車教習している、鈴木ヒロミツと片平なぎさや、百恵ちゃんもテレビの中で歌っている。この頃の片平なぎさはカワイイ。
そして、伊藤雄之助の愛人役でテレサ野田がでている。原田が彼女の足をまさぐるシーンはなかなかセクシー。テレサ野田が三枚目としてでているのは珍しい。
そして、山本伸吾はこのころ売り出していたのだろう(テレビによく出ていた気はする)伊藤を殺そうと、二階に穴をあけ、青酸カリを伊藤のグラスにおとすという神業をやろうとする重要な役?まあ、無理があるが映画のストーリーの中のアクセントにはなっている。少しくどい感じはするが・・・。
ちょっと抜けた横山リエなどもおもしろいし、個性派をうまく配置した人情噺である。原田の存在感はよくでているので、彼の供養でどこかで上映していただければうれしいかなと思っております。
Twitter http://twitter.com/runupgo
- 原田芳雄“BLUE”/横浜ホンキー・トンク・ブルース/アーティスト不明
- ¥3,059
- Amazon.co.jp