君たちがいて僕がいた
1964年 東映
監督:鷹森立一 主演:本間千代子、舟木一夫、千葉真一、宮園純子、高峰三枝子
舟木の東映での初主演作。とはいえ、本間千代子中心に話は展開する。富島健夫の原作なので、キレの悪い石坂文学的作品である。最後のPTA集会の展開などは「青い山脈」から続く、紋切型の決着のようだ。まだ、チャンバラ映画量産時の東映映画の中ではよくまとまってはいる感じである。鷹森立一監督のデビュー作であり、その気負いもいい方向に向いたようだ。
小田原の高校の3年生の本間や舟木たちは、進学、就職で心は穏やかではなかった。そんな中、PTA会長(須藤健)の息子(堺正章)は東大へいけといわれ、無理に勉強させられていた。ある日、須藤が学校で怒鳴り散らしている部屋に舟木がガマガエルを放り込んだ。須藤はカエルが大嫌いで激怒!舟木とその担任の千葉が絞られる。千葉はみんなに人気の体育教師だった。そんな千葉に本間は好きだというが、千葉が邪剣にする。あきらめた本間は舟木に接近してみたりする。そんな中、体育時間に勉強しようとさぼっている堺に千葉が鉄棒をやらせ、堺が足をねん挫してしまう。須藤は怒り、千葉をやめさせようと、新聞社に舟木の芸者の姉(宮園)とのゴシップ記事を書かせ窮地に追い込む。生徒たちは、こんなニセ記事で先生をやめさせられてはならぬと一致団結。PTAの会議に生徒たちの参加をさせてもらい、会議で千葉を守ることに成功する。千葉と宮園は結婚することになり、本間も舟木とともに明日を見つめるのだった。
今日まで、舟木の作品を5作品見てきたが、話としてはこの映画が一番シンプルかもしれない。あまりサイドストーリーがなく、善悪がはっきりしているのだ。また、舟木はここでは主演といっていい役になっている。そういう意味では、初めて舟木をメインにフューチャーした作品といってもいいだろう。
だが、やはり忙しかったのか、プツリと長い時間でてこなかったりもする。そういう意味では先に書いたように、本間千代子主演の映画と言った方がすっきりはする。本間千代子といって、若い方は全くわからないだろう。62年デビューで東映の児童映画にかなりでていて、60年代の東映のアイドル的存在だったのだ。この映画ではおてんばな元気印といったところである。現在でいえば、北乃きいの立ち位置かなと思ったりもした。まあ、さわやかで、元気にさせる娘さんである。
でも、東映映画は、彼女の入浴シーンを撮ってしまう。さすがだ。宮園純子と一緒に温泉につかるシーンは何か後年の「プレイガール」みたいな感じである。(宮園は、後年プレイガールのメンバーになる)
舞台は小田原。冒頭から、小田原城が象徴的にシーンに入り込んでくる。海や山の自然豊かな町の雰囲気が映画全体から感じられるのはなかなかすがすがしい。このあたりは監督のイメージの豊さを感じる。決して技巧がうまいというのではなくても、トーンがまとめられるのは才能だと思うからだ。ちなみにラストは箱根のロープーウェイに乗る舟木と本間の二人のアップで終わる。
舟木と本間と堺以外の学生たちは、皆、無名の役者ばかりである。それがうまく溶けあっている感じも新鮮な感じはする。堺は、ここではあまり砕けていない。やはり、日活以外では彼の持ち味は出されていないようだ。彼のまじめな演技はちょっと物足りない。
千葉真一は体操教師ということもあり、鉄棒やトランポリンの演技をしっかりと見せている。アクションではなく、こういうシ-ンは意外に少ない。まあ、本間や宮園と恋愛の話をするのはあまりにあってはいないところが彼らしい気もした。
小田原ということで、鈴廣かまぼこの本社が映る。また、スポンサーがフマキラーみたいで、殺虫剤をふきつけるシーンや「ベープ」という商品名をセリフでいわせるシーンがあったりもする。CMの入れ方にしては露骨である。テレビの影響も多々あるのだろうと思われる。
まあ、話はたいしたものではないので、評価を特にするような映画ではないが、脇に、高峰三枝子(本間の母親)や佐野周二(医者)などを配し、バランスがいい映画ではある。舟木の歌が少ないのが、ちょっと物足りない気もするが、本間千代子の魅力を見るには十分な映画である。彼女の白い体操服姿がなかなかまぶしくて魅力的であった。
舟木一夫を5本書いたが、まだまだこれは序章に過ぎない。続きは後日!
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