サヨナライツカ(2010) | 日本映画ブログー日本映画と時代の大切な記憶のために

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日本映画をひとりの男が見続けます。映画はタイムマシンです。そういう観点も含め多様な映画を解説していきます。範疇は作られた日本映画全てです。

サヨナライツカ

2010年 アスミック・エース(製作:フジテレビ、アスミック・エースE、関西テレビ、他)

監督:イ・ジェハン 主演:中山美穂、西島秀俊、石田ゆり子、加藤雅也


中山美穂は、あいかわらず美しかった。監督は、それを観客に教えるようなプロモーションフィルムを作った。結果的には、辻のすこし気持ち悪い話も、西島の演技も無駄である。だから、中山の出番が少ない25年後の話がすこぶるだるい。そして出てくるのは、しわを増やした中山美穂。「愛した記憶」と「愛された記憶」そんなもの、どっちもありだよ。結果、主人公が死んで終わり?三文少女小説か?2010年に作るべきもの、見たいものっていうのがあるよね?・・・・・2010年のワーストテンランクインを狙っての先制攻撃映画である。


西島は婚約者(石田)を日本に残しタイに赴任する、航空会社の社員。彼には夢もあるし、行動力もある。ある日、友人につれてこられた中山に逢う。航空会社の野球大会でさよならホームランを撃つ西島、そしてそれを見つめる中山。ある日、中山が突然、西島の部屋を訪ねてくる。そして、抱き合うふたり。引き続き中山の泊るホテルのスイートでの甘い生活が始まる。仕事がおろそかになり、日本との通信もぎこちなくなる西島。中山の魔性にひきずられていく。そんな折、かぎつけた石田がタイの中山を訪れる。そして、ニューヨークに去る中山。西島は日本に帰り、結婚を・・・。25年後に話は移る。2人の息子をもつが、ぎこちない家族に疲れ、会社も合併騒ぎの最中にいる西島がいる。ある日、久々にタイに向かう。そこにはホテルに勤める中山がいた。ふたりはお互い愛した記憶の中で混乱する。そして、ベンツを借りて中山をデートに誘おうとするホテルに悲劇が待っていた。


最初の登場から、最後のウェディングドレスまで、何着の服を身にまとい、何種類のメイクをして現れたのか。その、中山美穂のファッションショーは見事である。プロモーションビデオも多く手掛けている監督だけあって、その映像の表現のバラエティーさもたいしたものである。


しかし、そのひとつひとつがドラマにリンクしてこないので、中山の気持ちの変化が映像からはくみとれない。魔性の女はさまざまな顔を見せてこそ意味がある。洋服が変わっても、そこにいる中山の中身は変わっていないからおもしろくない。SEXシーンも、もっと「カワイカッタリ」「イヤラシカッタリ」「イタカッタリ」「キモチヨカッタリ」を感じさせなければNGである。原作者の夫への配慮とか意見もあったのかもしれないが、結果としてダメですよね。


話は、韓流ドラマによくあるような、少女マンガ的、いやハーレクィーン的なラブストーリーである。それを特に壊さずに流した感じ。まあ、25年前と現代という二分はあるが。観客的には、25年前の部分でいい感じ。現在のドラマは、まずいデザートだ。しわの入った中山美穂なんかみたくないし、西島の息子の反抗なんか見たくもない。石田ゆり子も必要性がまったくわからない。


タイへ行った。中山に会った。恋した。のらない別れをした。再開した。ハッピーエンドの話でよいではないか。へたくそな映画である。そして、なかなか終わらない。川沿いに車を走らせる 西島、叫ぶ!クレジットタイトルの方がよっぽどカッコイイ。


現在を撮りたいのなら、現在と25年前の回想をうまく交錯させながら描いてもいい。映画の作り方が今ひとつおもしろくないということにつきる。


そして、ラストにかかる中島美嘉の歌も浮いている。・・・・・中山美穂の乳首が見たかった・・・・。