自分はもう駄目だ、って


ただ息をして水を飲むだけ

そんな生活をしていた時期がありました




叔父にお世話になって

あの男の事は忘れろ

と何度も言われてきたのに

その叔父の家を離れ

夫の元へ戻りました


そんな経緯から

夫と上手く行かないからと

再び叔父に頼ることは出来ませんでした




夫婦の寝室でない部屋に寝ていた私ですが

別居解消から数日後

夜遅く、深夜私が寝て数時間後に

その部屋のドアが開きました


廊下で点いている電気のせいで

シルエットが見えてギョっととした

夫でした


何?!と驚いた声を上げました

何なの?!

夫は「一緒に寝よう」と言いました

「無理!出ていって!」


私は戻る時に夫に言いました

アズと会わせて

彼女を許さない

訴える


だけど具体的な事は何も進んでいません



夫は私を手中に収めて上手く丸め込もうとしているのではないか?と勘ぐりました


そこでおかしいと思うのは

そんな風に勘繰るくらいの相手なら

一緒に寝るのも嫌な相手なら

戻らなければ良いのに

今の私ならそう思う

だけどその頃の私はそうでなくて

夫の事は好き

だけど許せない

夫を取った女も憎い

だから、すんなり夫の想うように動くのに抵抗をしていました

本心は満更でもなかった


嫌だと言うのに夫は私を寝室に連れて行こうとする

やり直したいという

たから私も言ったんです

「私だってやり直したい、だけど直ぐにもとに戻れるわけない」


結局、夫は私の寝ている小さなベッドに入ってきて

初日は変な緊張でガチガチの私にそっと腕を回してきました

だけど体に力が入っていて、それに気がついた夫に

「何もしない、力抜いて」と言われる始末

次の日も来ました

その次の日も

数週間経った頃から手を繋いで寝るようになりました


何度か夜中にドンッと音がして横を見ると

ベッドに入り直す夫

落ちてた、シングルだから

あの時、笑うのを堪えるのに必死だった


「ねぇ、あっちで寝たら?落ちて怪我したら困るでしょ?私も落ちるかもしれないし」


「だったら一緒にあっち行こう」


考えたらマットレスも固めで痛いし

どうせここで寝るなら大きなベッドで寝ても同じこと


それから寝室で2人で寝るようになりました

だけど、夫が私を取り戻そうと頑張ったのはそこまででした


寝室に戻って最初はイチャつきはせずとも

手を繋いできたり

重くて目が覚めると抱きしめるような格好でいたり

だんだん私もそれが気持ちよくなってきました

夫の体温を感じれること

寝息、匂いを感じること


ある時、夫が私から腕を離して眠りにつこうとしました

その時に私から夫の背中にペッタリ着いて

夫の腰からお腹に腕を伸ばしました


だけど夫は何の反応もなかった

あの時、妙な違和感を覚えました


翌朝、目が覚めたとき

私は夫の方を向いて寝ていて

目を開けると

夫は私を見ていました

目が合ったの


「おはよう」と言いました

夫は小さな声で「うん」と言って

私に背中を向けたのです


あの時、ハッキリと

(この人私のこと好きじゃない)

と思った