久しぶりに映画を観てきました。
「関心領域」
タイトルの意味は アウシュビッツ周辺の40平方キロメートルの地域を指したナチスの歪曲表現。
このなんとも楽しそうなガーデンパーティの様子。しかし左後方の塀の上には有刺鉄線が。
その塀のすぐ後ろにあるのはアウシュビッツ強制収容所。
そこの初代所長 ルドルフ・フェルディナント・ヘスとその家族の暮らしぶりを見る映画と受け止めた。(るんぴい調べ)
もうね。。ただただ気持ち悪っ
残酷なシーンはひとつも無いけれど。。だからこそ不気味さが際立っていました。
もしかして ネタバレしてしまうかも知れないので 知りたくない方はこの後読まない方が良いかも知れません。。。
感想を書いている皆さんが言うように この映画の重要な要素が 音。
家族でピクニックをしている時 庭でパーティをしている時 ベッドで寝ている時 常に音が聞こえています。 銃声や人々の悲鳴 機械音。
でもその家族はまるで何も聞こえないように普通に生活している違和感から始まるんだよね
それから 私は違和感でしかなかったんだけども。
途中で出てくる りんごを置いていく少女。
この人 サーモグラフィーの映像で出てくるのよね。解説を読むと 温度差。 その少女の心の暖かさと ヘス一家の心の冷たさの温度差を映像化したかったようですが。。。もしかすると ある程度の予備知識を入れてから観た方が良いかも知れない。私はそっち側でした😅
ちなみにこの少女のエピソードは監督が現地取材中に出会った高齢の女性の体験を元にした実話。囚人が書いた楽譜を持ち帰ったのも実話らしいです。
家族の中で 子ども達にはその影響がメンタルに現れているのに気づかないのか無関心な妻。
その妻はそんな環境の中で 自分が望む通りの家や庭を作り上げて手入れに勤しんでいる。
夫の転勤話も断って!ここから動きたくない!
と言うほどに。。
相手は上司のヒトラーやぞ!断れるか!
あんな場所に執着するとは。。
やはりまわりが見えてないのね。
いや。気に入らない家政婦にうちの夫があなたを焼き◯すぞ!
と脅すあたり。。。
完全にイカれてますな
まぁ。そんな話。
さらに時々流れてくる音楽も気持ち悪さを増長させて来る。不協和音てんこもり
エンドロールはもう 我慢大会だった。
終わった後に何かあるかなと思って最後までいたけど 何も無かった。
最後に 気づいたんだけど。
上に貼った公式の写真なんだけど。。。
右端の女性の首がない。
予告編の動画にもこのシーンあるんだけど。。
まるでマネキンが置いてあるみたいなんだよね。
わざとだよね。
これ 実はホラーなんですよ。って事ですよね?違う?
しかし。。。
現実は 無関心でいられなければ この家族はどうなっていたのだろうと思う。
そして この映画の映像が 常に定点カメラで撮影されていて 私たちは完全に第三者の視点で 見ていられることが 唯一の救いなのかも知れない。
さて。今世界で起こっている戦争とその事に無関心で暮らしている自分たちとを重ねてしまうという意見もあるようです。
ならば 無関心でいないために 何が出来るのか
今一度 立ち止まり 第三者の視点で 自分の立っている領域を知ることが大切なのかなと思う。
同時に 何が出来るのか は他者の何かを助けられるか?だけではなく 自分の大切なものたちをどう守れるのか?も問われていると感じました。