象やシマウマ、ゴリラどの動物も目がかわいく目を見ていると何となく気持ちが安らぎ省三は優しい気持ちになるのだった。
「省ちゃん、野球が終わったら市電も混むから早めに帰ろう」
隼人は動物たちに夢中になっている省三の背後から声をかけて出口に向かった。
透明のプラスチック製の丸い筒状の魚捕具を見つけて省三に渡しながら「これを持って武庫川へ魚とりに行こう」と言った。
「へーこんなので魚とれるの」
「これはモンドリと言ってね、この中にさなぎ粉などで練った団子を入れて川の中に沈めておくと一度入った魚は外に出られなくてモンドリの中は魚で一杯になるんだよ」
「どんな魚が取れるの」
「こちらではハヤとかハスとか言ってる小魚だよ」
「その魚なら僕も知ってる。四国でもよく釣ったよ」
「から揚げにするとおいしいよ。たくさん捕ってキュウちゃんに今夜の夕食のおかずに作ってもらおう」
二人はまだ残暑が残っている武庫川の河原にモンドリと餌の団子を持って行った。
二メートルくらい段差のあるコンクリートの堰き止めの下で激しく泡立っているところにロープで杭に縛り付けてモンドリを沈めた。
「三十分くらい散歩してこよう。きっとたくさん入っているよ。
