呼吸が止まったことを確認し、訪看ステーションに連絡をする。
看護師さんが30分ほどで来てくれ、脈と胸の音を確認。
医師を呼ぶ電話をしてくれる。
医師が来るまでの間に最後の処置を行ってもらう。
体を拭くためのお湯を用意してくださいと言われ妹とお風呂場へ。
妹が「お風呂の残り湯でいいのかな?」と言ってきて「さすがにそれはダメでしょ。洗濯物じゃないんだから」と笑ってしまう。
ずっと気を張っていたのがそれでゆるんでしまい妹と二人で大笑いしてしまう。
父が慌ててお風呂場に来て「こんなときに笑っちゃだめだ」と怒られた。
子供のころ妹と二人で悪ふざけをして騒いでいると「いい加減にしないと承知しないよ!!」と母に怒られたことを思い出す。
家族全員で体を拭く。
右腕を動かす時は痛がらないかとついつい心配してしまう。痛がるわけもないのに。
髪の毛もきれいに洗いブラシで梳く。
最期に着せるものを考えたが決めきれず、結局お気に入りのパジャマにした。
もう何か月も使っていなかった母の化粧品を出してお化粧をする。
ちょっと下がり眉になってしまったが上手に出来たと思う。
父が母の顔を見て「お母さん、なかなかの美人だな」と言う。
訪問医が02時半ごろ到着。死亡診断。
書類上の母の死亡時刻は3月3日02時34分になった。
すべての処置を終えた訪問看護の看護師さんにお礼を言い、余ってしまったオムツを持って帰っていただいた。
事前に決めていた葬儀社へ連絡をいれる。
火葬場が今は込み合っているらしい。
一旦安置所へ運ぶため朝4時過ぎにスタッフの方が遺体を引き取りに来た。
遺体を運ぶ車を見送って部屋に戻る。
空になったベッドを見て初めて声を出して泣いてしまった。
その日の午後には葬儀社の人が打ち合わせにくるので、一旦休もうということに。
父が介護ベッドで寝てみたかったと言いながら母のいなくなったベッドに横になった。
【父のメモ】
03/03つづき
01時05分 訪問看護師来宅。検診、先生を呼ぶ。下処理、体拭き、着付け、洗髪、歯磨き、化粧。
02時半訪問診療医来宅。検診、死亡時刻3月3日02時34分。
04時半葬儀社遺体引き取り。