久々にちょっと堅い話です。
床屋さんが消えようとしています。
しかも、僕が思うにこれは床屋さん自身の“変われなさ”による自滅だと思っています。
都内の駅や、周辺のショッピングセンター内でカット専門店のQBハウスをよく目にします。
10分程度で1000円でカットだけしてくれて、最後に掃除機みたいなホースで毛を吸って終わり、というきわめて分かりやすいサービスです。
洗髪台などが要らないため、駅やショッピングセンターのデッドスペースを利用して理容店舗を作れるというのが最大のポイント。
僕は利用したことがないのですが、この前家族でショッピングセンターに行ったときに、嫁さんと子どもがトイレに行っている間に10分くらいQBハウスを眺めていました。
常に満員状態で、混雑を示す赤黄青のランプがずっと赤でした。
中には中年の女性客もいました。
必要な機能をモジュール化してその分無駄なコストを省いて、必要とする人に提供する、というのはとても効率のいいやり方だなと感心しました。
また、理容店に必ずあった“洗髪”“マッサージ”“髭剃り”を必ずしも必要としない人がこんなに沢山いたというのを改めて実感して、それに気付いたQBハウスはすごいな、と思いました。
ところが、こんな記事をみつけました。
盛岡タイムス
街から消え始めた理容店 全国チェーン店が盛岡にも進出
首都圏で人気のQBハウスは当然ながら地方にも進出しています。
これまた当然ながら、低価格での散髪が出来るので既存の床屋さんは売上が落ちて潰れるところも出てきます。
そこで、床屋さんはどうしたか。
規制強化を県に求めたのです。
これはつまり、地元の床屋さんは自滅したいんだな、と思いました。
何も単に僕がお役所嫌いだから、というわけではありません。
QBハウスの岩井社長が朝日新聞でこう語っています。
専門店は当然反発するが、草分け「QBハウス」運営会社の岩井一隆社長は比較的冷静だ。「彼らが競争力を強化しようと自らを革新し始めるとライバルになるが、規制の中で生き残ろうとするなら、内心『しめしめ』です。」
結局のところ、規制による保護があった業界というのは多かれ少なかれ弱体化します。
変化する事ができない、というと簡単ですが、もっと根本的に“お客様が求めるサービスって何だろう?”“それが提供できるにはどうしたらいいだろう?”という事を考えない。
“お客様の満足を考えないサービス業”って意味がないじゃん。
意味のないものが市場から消えていく、というのはごく当然の事です。
仮に規制強化したところで、お客様の満足が上がるのか。
QBハウスが来なかったとしてもいずれ、床屋さん同士の価格競争に入ります。
現に、組合(価格を取り決めている団体)に加入しない店舗が増えているわけです。
ものごとを悲観的に考えるよりも、その分別のサービスを考えて、やってみる方が前向きだと思います。
先日、基本料金3000円で、シャンプーやその他はオプションという美容室をみつけました。
例えばそういう安い以外に“選べる”店舗が出てきたっていいじゃないですか。
消費者は何も、安さだけを求めているわけではありません。
例えば、僕やこれをお読みの方がQBハウスに行っていないように。