緊急事態宣言が解除され、徐々に日常生活を取り戻しつつありますが、日本でなぜ感染者が欧米と比べて圧倒的に少ないかについて議論が沸き起こっています。

 その中には、日本人は要請という緩やかな規制の中でも、高い衛生観念のもと感染防止に自律的な行動を行ったからではないかという意見もあります。

 電車は時刻通りに出発するし、列に並んでも順番を守る。大都会でも治安は良い。これは先進国でも普通にみられる光景ではありません。日本は素晴らしい秩序を持った国です。

 他方で、気鋭のドイツ人哲学者、マルクス・ガブリエルは、こうした日本を「非常に柔和で優しい独裁国家」と呼び、「完璧になめらかな機能性には、ダークサイド(暗黒面)があります」と述べています。


 彼は、この暗黒の力について、「時間に遅れてはいけない、問題を起こしてはいけないと、まるで精神性まで抑えるかのような力」と表現しています。

 このダークサイドは、今回のコロナ禍でも、「自粛警察」などの形で露になっているような気がします。

 これくらいですめばよいのですが、時には、大きな同調圧力となり、人や組織を破滅的な方向に追い込んでしまうことを私たちは十分理解しなくてはいけません。