2013年日本山岳耐久レース24時間以内〜ハセツネカップ回想記4 | 走りながら、食べて、聞いて、考えて!

2013年日本山岳耐久レース24時間以内〜ハセツネカップ回想記4

月夜見を午前0時前の22時半頃に通過した。
昨年は0時をすぎていたので、やはり順調かもしれない。

しかし、この坂が危険。昨年捻挫したところ。
そこを、無理せずゆっくりシューズの底全部を地面につけるように、ゆっくり下る。
と、しばらくすると前方に見かけたランナーが。
白さんだった。先に第一関門も第二関門も通過しているのに、どうしたのかと思い、
「あれ、白さん、なんでこんなところに」
「あ、ぶろっくちょ、いや、あ、それが、・・・」とかよくわからない返答。
「ぶろっくちょ、けっこういいペースですよ!」とは言われたけど、
「いやいや、ほとんど歩いているようなもんだよ。これからも歩き中心でいくわ!じゃあ」と先を急いだ。
その時白さんはライトシェルを着込んでいたようだった。

しばらく続く、長い坂。
ここが一番、嫌いな、御前山に向けた登り。
岩場とか急登があるわけじゃないけど、とにかく長いように思える。
最初はピーク越え、その後、左の巻き道を行くが全然走る気がしない。

そうか、走らずに行くことも考えよう。
とにかく、まだ30kmはある。それをこの脚で行くには、体力を無駄に使わないこと。

そう思い、その後は、下りで走りやすいところ以外は歩くことに徹した。
実は、3年前の隠岐の島ウルトラマラソンでも、後半走れなくなったときに、歩くことで挽回した。自分の歩きは比較的スピードもある。ロードでキロ9分台で行ける。山道でも10分から12分でなんとかいけるのではないかと考え、無理せず歩くことに徹した。

途中、白さんに抜かれた。

御前山の登り。
本当につらい。

過去に滑落事故があったところで、手を合わせお悔やみと完走をお祈りした。

途中、安走会マーシャルの井上さんともすれ違った。
井上さん、けっこう元気。やっぱり女子は後半に強い!

それから、木によりかかったり、岩に腰掛けたりと、実際、惣岳山までに5回以上は休憩したように思う。
この長い長い登りをなんとか征服したあとのカラダへのダメージは大きく、ピークに付いたあとにリバースする人もいた。

惣岳山のベンチでしばし休憩し、そしてのこり600mの御前山に向かった。

なんとか御前山にも到着。
またベンチで休憩をとり、そしてすぐに下りはじめた。

この御前山の下り。
かなりきついし、危険も多い。
傾斜がきつく足場も悪い。
さらに、ようやく足場の悪いところが終わったと思うと、そのあとは何度か繰り返す登り返し。

その登り返しで、またまた何度か休憩。
とにかく一歩一歩登るきつさが、ますます増してくる。

しかし、ここも何度も試走したところなので、見覚えのある危険な場所をすぎればあとすぐ!
そう思い、我慢して進む。

立ち止まっていては、ゴールは近づかない。
歩いてでも、前に進めば ゴールは確実に近づいてくる。
そう自分に何度も言い聞かせ、腰をあげて進んだ。

オオダワ。
ここでトイレ休憩。
あと20km。

ここからは走れるというが、もうそういう脚は残っていない。
しかし、早歩きはまだまだ十分できる。
時間をみると、もしかすると長尾平に3時前に到着する可能性ある。
そうすれば確実に、日の出山の夜景がみられる!
そんなことを考え、先を急いだ。

しかし、ここで、急に眠気。
とにかく眠い。
夜間走の場合は朝6時前に眠気がやってくるが、さすがにこの日は午前1時あたりで、もう眠くて眠くて。
そこで、眠気覚ましを飲んだ。
そうしたら、目がしっかり開いて意識もよみがえった。

最後のボス山、大岳山は急登ではあるが短い距離で岩場をよじ上るので比較的ピークは近い。それまで長い笹尾根が続くが脚に疲れのたまった自分は途中何度か休憩をいれ早歩きで進んだ。
途中、何人か寝ているランナーがいた。これもハセツネ名物。
でも
ライトをつけたまま寝ててね!と声をかけ進む。

大岳山の登りにとうとうたどり着いた。
ここを注意深くよじ登る。また、何度かの試走のおかげで登りやすいルートはわかっているので比較的精神的に楽。
思いのほか、早く頂上に到達した。

大岳山登頂。

そこでみたものは、すばらしい夜空!
星が手に取るように近くに感じる。
真っ黒な空に輝く大きな星!感動!!!
時間に余裕があればここでしばらく星を眺めてご飯を作って食べるなんて最高と思った。

しかし、まだレース中。
早速、後半難関の大岳山の下りを行く。
ここは、毎年必ず事故やけが人が出る場所。

しかし、今回は雨が降ったのは二日前だったこともあり岩がぬれていなかった。おかげで意外にも楽に降りることができ、あっという間に大岳山神社についた。
そこで、また完走お祈りをして、さて、ようやく待望の「綾広の滝」だ。

途中で、安走会の先輩の渡辺隆行さんに会い、声をかけて進んだ。
ここからは、けっこう走った。

そして滝でくんだ水は最高にうまかった!

第三CP長尾平2時40分通過!
日の出山での夜景ウオッチは確実だ!

長尾平ではたくさんのボランティアや応援の声。嬉しかった。ここまでくればもうあとわずか。

御嶽神社の前を過ぎ、日の出山に向かう。
試走では走れるところだが、ここでも無理せず早歩き。
何人かのランナーに抜かれたものの、気にしない。
意外にも登りになると、抜かれたランナーに追いついて自分が抜き返すシーンが何度もあった。
いつの間にか、登りと歩きのペース差が少なくなったのかもしれない。

しかし、日の出山は意外にも意地悪な登りと下り。
鳥居から登るときに、ボランティアの方に「マーシャルご苦労様です!」と声をかけられた。

日の出山登りで、先を行くランナー数名を歩いて抜いた。

そして、トイレによってから、ようやく日の出山山頂!

思わず声を出してしまった!
「やった、初めてみた!最高の夜景!!!」

嬉しかった。
当初の目標はここからは日の出をみる予定だったのだから。

この日の出山のベンチでライトの電池交換に手間取ったが、スタッフの木村さんに声をかけ下った。

これも試走のおかげで、走りやすい場所は覚えている。

あとはほぼ10kmのダウンヒル。
でも、早歩き走法はかえない。
何人かに抜かれるも、ちょっとした登りになると自分が抜いている。
そんな繰り返しで、あの、見覚えのあるコンクリート橋!

そうしたら、「あと2kmですよ~」という暖かい声。
時計はもしかすると15時間台の自分にとっては自己ベストのペース!
のこり30分はある。歩いても確実。

でも少し下りは走って、ようやく街のアスファルトに出た。

嬉しいのと、ああ、もうおわっちゃうのか、という寂しさと。

そして、あの、角を曲がったら、夢にもみた、暗いうちに到達するゴール!

深夜だから声はあげられないが、でも、嬉しくて涙がにじんだ!

やった、15時間50分09秒。
昨年よりも4時間ほどの更新。

応援に来てくれたふじふじが待っていてくれた。

感動!

ようやく、「ハセツネを完走しました!」と言える結果を得ることができた。

(最終章につづく)