このギターのリフィニッシュは極力下地のトラ杢を生かしたカラーで…ということで、ダークなイメージのワインレッドでフィニッシュすることにしました。
ボディーとネックが分離できないので、異なる色で塗る際は、マスキングは何段階かに分けて実施することのなります。
ピックアップは金属製のカバーがついたタイプに交換して欲しいというオーダーですが、オリジナルはポールピースの高さも変えられないオープンタイプで…
しかも…エスカッションが小さくて金属製カバーはつけられない
最初はエスカッション内側を削ろうか、それとも通常のエスカッションを用いて、そのボトムをボディーTOPに合わせて削るか、さんざん悩んだあげく後者を選択しました。
そうと決まったら、さっそくエスカッションを加工して装備
ところが…
なんとピックアップが入らねよ~
オリジナルのPUは、通常のエスカッションに入り切らないどころか、PUキャビティにも入り切らない。
四隅を削って無理に入れました。
削った部分は、もちろん黒で塗っておきます。
さて、今回一番苦労したのは、フレットの凹凸です
普通に弾くだけでも、まともに音の出ないポジションが何ヵ所もあり、特に1・2フレット部分は低すぎて、ネック調整やフレットの擦り合わせでは解決できず
裏技として、1・2フレットを若干浮かせる。なんて事もやってみましたが、精神衛生上よろしくない…
1・2フレットを抜いて、若干太くて高さのあるフレットを打ちます。
1・2フレットが大きいので、改めて擦り合わせをしました。
それから、指板の画像を出したついでに…
中国製ギターの中でも、さらにマイナーなコレを高級ギターに見えるように指板をエボニー風のブラックをしてほしい、という注文もありました
普通の塗料は使えないので、特に濃いエボニーのオイルステインを滲み込ませます。ポジションマークにも染み込むので
そこは避けてぬりました。
さて、ようやくセットアップに入ります…
オクターブチューニングが……合わない
これはブリッジの位置が合ってないことが原因ですが、もう一つ思い付きました
オクターブ調整用スプリングが異様に長いことに気づきました
これを銀色の物から、巻き数を少ないブラックを物へ交換
これで駒をボディーエンド側に、更に動かせるようになり、オクターブを合わせられるようになりました
次回はいよいよこのギターの最終回です