今日はOPBに近づける作業を少し紹介します
まずは「包丁ヘッド」と呼ばれるデザインのヘッドをOPBに近づけます。※1弦と4弦のペグだけが装着されているのは、紐を張ってブリッジの位置決めをするためで、ヘッドの成形とは関係ありません
この作業も何度も記事にしているので、いきなり完成です
1弦側と4弦側の双方にある出っ張りはあえて残しました。ネック自体をOPB用に換装したのではなく、オリジナルを成形した物であることを明確にするためです
それからOPBといえば、テレキャスターとほぼ同時開発だったので、共通の仕様として弦のバックローディング仕様があります。これには忠実なコピー品のブリッジもあるのですが、ご存じのようにOPB用は2ウェイサドルなので、私は一般的な4ウェイの物を加工してバックローディング仕様に対応させています。
こんな改造をやっている人を他に見たことはありませんが、いくつか重要なポイントがありますので参考になさってください。
まず、画像のようにベースプレートに裏通し用の穴を開ければ良いというものではなく、その位置にはノウハウが必要です。
普通に考えれば弦間ピッチと同じ1.9㎜間隔で4つの穴を開ければいいわけですが、ベースの場合は1弦と4弦の太さには大きな違いがあり、1弦側から1.9㎜地点ごとに穴を開けていくと、4弦の穴の位置は、4弦のオクターブ調整用ネジと一部重なることになります。なので1弦と2弦の間は1.9㎜でほぼOKですが、3弦と4弦の穴の位置は若干離して開けないと、弦のテンションによってサドルを横向きに押す力が発生します。
それから、もう一点重要なのは、ブリッジの位置自体をボディーエンド方向に5㎜ほど後退させて取り付ける必要があります。
これは、実際に弦を張ってオクターブ調整を実施した際、(特に4弦は)ブリッジ表面に出た弦がいきなり直角に近い急な角度でサドルにかかることを防ぐためです。
これは、バックローディングではない57年型以降のプレべでも、テンション調整のために実施するベーシストもいます。
ブリッジの位置が決まったら、ボール盤か垂直ドリルガイドを用いて穴を裏まで貫通させ、弦留め用のブッシュを打ち込めば完了です。
私の場合は、まず3㎜のドリルガイドで穴を開け、それをブッシュの外径まで拡大していきますが、
その際に直径3㎜、長さ5㎜のプラグを作って一度穴を塞ぎます
なぜそんなことをするのか
ブッシュ径の9.5㎜のドリルビットで穴を開ける際に、入口に3㎜もの穴があるとドリルの先端が暴れて、結果9.5㎜以上の穴が開いてしまうからです。ドリルの先端がこの3㎜のプラグの中心をしっかり捉えていれば、ドリルビットの先端が暴れるようなことはありません
それから予定外の作業ですが・・・
画像にあるように、このSBボディーには、表裏に化粧板が貼られています。これが木部加工の度ごとにめくれるので、その都度ボンドで接着していたのですが、あまりにも簡単に剥がれるので、これは塗装後にもトラブルを起こしかねないし、サウンドにも悪影響を与えているに違いないと判断しました
過熱しなくてもこの有様です
一気に剥いでしまって、再度、研磨と下地の調整作業をやり直すことにしました