今回のオーダーは、依頼主の方に固まった明確なヴィジョンがある訳ではなく、好みの仕様を色々と盛り込んで相談&試行錯誤しながら製作を進めるという工程を踏んでいます。
普通の工房であれば、方針がブレブレだとやりにくいところでしょうが、私自身の普段のカスタムも同じで、大雑把な青写真はあってのスタートではありますが、途中から色々と思いつくアイデアを挿入することも多く、良く言えば対応力には自信があります
・・・で、依頼主の好みの仕様とは、リッケンバッカーとOPBの要素を含めつつ、フロントにはEB風のハムバッカーピックアップがあり、それらを私のミュータントシリーズ風にまとめる、という難題です
しかもそれをヤマハのSBをベースに製作するというのですから、ウルトラC級の依頼です
SBの元のピックガードは茶べっ甲でしたが、希望は赤べっ甲ガードなので、高価な大判の赤べっ甲ガードを購入しました
SB1型のピックガードは、少し細いですがOPBに似て6弦側ホーン部まで伸びているので、これをそのまま型紙に使いつつ、やや太めに切り出します。
次にコントロールパネルですが、これは3ピックアップ化でノブの数が増えることから別パネルとし、3ボリューム・1トーン・1スイッチを菱形に配置し、ややリッケンの風味を出します
ここで苦労したのは、いつもは1㎜厚のパネルを使っていますが、赤べっ甲ガードは4プライで分厚いので、段差が目立つと嫌なので1.5㎜厚のアルミパネルを購入したところ、金バサミでは切れなくて金ノコを使うハメになりました
フロントに搭載するピックアップは、元のオリジナルピックアップの有効利用で、連結してEB風に使います。
センターには、私がやっているPタイプのスラントマウントをご希望なので、併せてピックガード内に切り欠きを入れます。
まだ配線作業はしていませんが、パネルにPOTやスイッチを取り付けて本体上に載せてみました
まだまだやるべきことは山ほどあります