Tokaiジャズベなど作りかけの物は置いといて、ステレキャスターとテレのリフを最優先に作業しています。
ステレは1弦側半分が完全にテレと同じデザインになっているため、通常のストラトのボディーは使えません。だからといってコントロールキャビティーの部分だけが未加工のボディー材を発注すると、通常のストラトボディーよりもはるかに高額な値段になります。過去の作例にあるように、私は木材による埋め加工も頻繁に行っていますが、ストラトのコントロールキャビティーは形状が複雑過ぎて現実的ではありません。
予算も限られるため、妥協案としてコントロール裏仕込みでピックガードレスのストラトを1本落札しました。フェルのファンクションシリーズで、比較的多く見られるものです。
「完全ジャンク扱い」という割にはそれなりの値段でしたが、スタート価格が引き下げられるのを待っている暇はないので落札し、到着と同時に塗装剥ぎ作業にかかりました。
剥がし始めると、この時期のフェルに多い表裏化粧板仕様でしたが、フェルのために弁護しておくと、フェルの化粧板は、経年による塗装痩せで材の接ぎ目が浮き出るのを防ぐ目的で、近年物のスクワイヤーのように7~8ピースや縦接ぎ材のようなツギハギを隠すためのものではありません。
よって化粧板を剥がせば、そこそこの木目が現れることが多いんです。今回もボディーエンド側から4ピースであることを確認し、良い木目であることを期待しながらカンナを使って剥がしました。
さらに多くの時間と労力を費やすことになりましたが、苦労に見合うだけの木目が姿を現しました
木地に戻したら、ステレキャスターの特異な仕様に適合させるための木工作業に入ります
ネックポケットに黒いマーカーを塗り、ネックポケットの彫り下げ加工を実施します。つば出し部分にピックガードがぴったり収まる高さまで慎重に彫り下げていきます。
次に、ボリュームやトーンの穴を木材で塞ぎます。セレクターの部分は、ちょうどテレのコントロールキャビティーと重なって切り取られる予定です。
次に、3基のピックアップキャビティーの中央を縦に貫くコード溝を切削します。元はピックガードレスのモデルでしたが、ステレはピックガードを実装するのでこの加工が必要になります。
ステレはリアがテレキャスター用のピックアップなので、ストラトのPUよりも大きくなりますが、このベースに使ったボディーはSSHだったのでリアのキャビティーは元々大きかったです。なので、たったこれだけルーターを当てるだけで搭載できました。
最後は、先に完成させたピックガードを実装してテレのコンロールプレートの位置を決定し、テレ仕様のコントロールキャビティーを切削しました。
他にも、化粧板を剥がしたことで相対的に浅くなったバックプレート用の落とし込み部分を、再度適正な深さに彫りなおしたり、トレモロ搭載ネジの不揃いなネジ穴を開け直したり、細かい作業は色々とありました
これでボディー側の加工はほぼ完了したので、次回はピックガードの作業を紹介します