この4連休の前に2件ほどオーダーを受けました
作業にまとまった時間を取れるのは基本的に週末だけですし、塗装作業を含むとそれこそ納期はお天気次第となるので、急ぐ注文には応じられません
まあ私に依頼される方はみなさん「一生物の1本」を使用されている方ではなく、10本、20本、いや、それ以上はお持ちの方が大半なので「完成は半年先でいいよ」と言ってくださいます
もちろん受けたからには趣味品は置いといて、頼まれ仕事を優先して作業しますが…
「ビルダーごっこ」のブログを始めて2年とちょっとが経ちました。始めた当初は予想もしなかったことですが、こういう情報を発信していると、店開いている訳でもないのにカスタマイズに関する問い合わせが来るのが面白いところです
基礎を学んだ経験もなく全てが自己流ですが、頼まれ事を断るのが苦手な私は未熟さを顧みることもなく無謀なチャレンジを繰り返しています
…で、今回の依頼はコレ
STELECASTER !!
2017年にFENDERカスタムショップ30周年を記念して、設立当時の花形ビルダー8名を再結集し、記念モデルとして企画した「FOUNDERS DESIGN」シリーズの1本
93年にfender社に入社後、わずか2年後の95年にマスタービルダーに昇格、99年に退社して現在は独自のブランドを展開しているジーン・ベイカーの製作です。
いわば、世界屈指の設備を誇るエレキギターメーカーの、そのまた最高峰に位置する部署「カスタムショップ」のメモリアルモデルとして超一流ビルダーが手がけた楽器を、ド素人のお遊び工房がジャンクギターを材料にホームセンターで買える工具を使い「なんちゃってレプリカ」の製作に挑みます
過去頼まれ仕事の中には私の守備範囲を越える物もありましたが、そういった仕事もあえて引き受けることでスキルアップを志してきました。
しかしこのモデルは見た瞬間、知った時点で頼まれなくても手がけていただろうと思いましたね
なぜなら私自身、テレキャスターとストラトキャスターの要素を併せ持つハイブリッドモデルを「テレラト」と呼んで2本ほど製作しています
テレのフロントハム改造を沢山やったツケで大量に余剰部品となったテレ用フロントPUを消化するため、ピックガードを自作してテレ用PUを3基搭載したストラト。サーキットにはテレの特徴となるハイパスフィルターも装備。
こちらは1ハム・1ボリュームというシンプルな構造の安物ギター「first act」にストラトのフォーマットを導入。3PU化した上で同じくテレ用フロントPUを3基装備。ブリッジもテレ用を切断してテレギブブリッジに改造。サーキットにはトーンノブのPULLでセンターがフロントとリアにハムバッキング接続される擬似HSH回路を仕込んであります。
また、ストラトは入っていませんが、ジェフ・ベックのエスクワイアとテレギブを合体させた「エスギブ」や、60年型と77年型の仕様を併せ持つハイブリッドジャズベースも製作しました。
今回の「ステレキャスター」は、パッと見ただけでも色々と困難を覚える箇所が散見されますが、依頼主の満足する物を作ってやろうと思います