私のこれまでの仕事の流れからすると、いつか避けては通れないと思ってはいました。昔一度検討したこともありましたが、その時は配線の中身について情報を得られなかったので断念したまま忘却していたわけですが、最近お得意様から「これはもう製作しましたか?」という質問を受けて思い出したんですひらめき電球

 

コレ・・・スティーブ・モーズ フランケンテレキャスターDASH!

最初のハイラム・ブロックと同時に提案され、平行して作業していたので6月中には完成していたのですが、連載が長くなりそうなので夏休みの帰省中の投稿記事として取っておきました。

 

過度の改造が施された結果「フランケン」と呼ばれる楽器は世に多くあれど、その複雑さと脈絡のなさからコレを上回る「フランケン」はありますまい!!

ただし、これだけの個性を放ちながら、他の「フランケン」ほど世に知られていないことでも他の追随を許しませんあせる

一部の熱心なリスナーを除き、スティーブ・モーズが一般に有名になったのはDEEP PURPLE加入時というのも事実なので、それ以前に使用されていた機材が知られていないことも仕方のないことだと思います。

それにしても、近年国内で矢継ぎ早に出版されたテレ本の類にも、いや英語圏のテレ本でさえ、この「フランケン」は見事に無視されているのです。

当然FENDER社からトリビュートモデルが出ているとも聞きません。

 

ストラトのネックがジョイントされたテレボディーにHSSHという特異なピックアップ配置。テレのPUが1つはあるものの、あとテレの要素といえばコントロールプレートくらいです。ラージヘッドであることからベースが「テレキャスターデラックス」という人もいますが、そうであれば6弦側ホーンまで伸びたピックガードの下がザグられ、レスポールの位置にトグルスイッチがあったはずですがその痕跡はありません。何より「テレキャスターデラックス」は72年発表という時期から3点留めネックにブレットナット付きで、確かメイプルネックしかなかったはずです。なのでこれはストラトのネックを接いでいることに間違いないでしょう。

 

以前配線が不明だったので断念したと書きましたが、現在の私はオリジナルの配線など一向に気にしません。それによく考えたら、現在本人がエンドース契約のもと使っている青いミュージックマンがこのテレの仕様を引き継いでおり、その回路についての説明はネット上で見ることができます。しかし・・・

【コントロールスイッチの挙動】
・3-Wayトグルスイッチ(フロント側シングルON/OFF) : フロント側シングルのみON / フロント側シングルON+ 他ピックアップ使用可 / フロント側シングルOFF + 他ピックアップ使用可
・3-Wayレバースイッチ(PU Selector) : リア側シングル / フロントハム / リアハム
・2-Wayトグルスイッチ(Add Bridge) : リアハムバッカーのON/OFF

上は私が見つけた記事ですが、長年読解の指導もしてきた私が、このわずか4行の文章が言わんとするところをどうにか理解するのに15分くらいかかりましたチュー

 

ジェフ・ベックのシェクターアッセンブリーストラトもそうですが、本人には出したい音の優先順位があって、それに特化した配線にしているのでしょうが、結局のところ全てのPUの組み合わせが可能であれば良いということだと思います。

実際に私がどのような配線にしたかは、製作記事が電装系に及んだ際に詳しく述べることにします。