今日は電装系について記事にします
私にとってストラトのHSH改造は、アイアンメイデンのデーブ・マーレイが一番古い記憶ですが、このハイラム・ブロックも同じくらい古そうです。HSHだとストラトらしさも失われてしまうので、80年代のメタルブームの頃はブラッド・ギルス等のSSHが国内でも海外でも流行りました。その後80年代末にポール・ギルバートやスティーブ・ヴァイがIBANEZのRGをメインに使うようになって、そこに仕込まれているサーキット「オートマチックデュオサウンドシステム」に注目が集まることになります。これはHSHでありながら、5ポジションセレクターのハーフトーンポジションではフロントとリアのハムバッカーが自動的にタップされ、ストラト風の美しいハーフトーンが出せるという仕組みでした
ハイラムの動画をYOUTUBEで見ていると、ハムとセンターの使い分けがハッキリしており、ハムとシングルのミックストーンと思われる音色はほとんど聴かれません。どうもセレクターは3ポジションのままのように思います
ハイラムのストラトは時代的にも普通の配線が施されていると思いますが、今回私はIBANEZ同様のオートマチックデュオサウンドシステムに配線しようと思います。そもそも私はオリジナルに忠実に作るつもりも毛頭ないので、これまでも判らない部分については勝手な想像や自分好みにアレンジしてきました。
ただし今回搭載するハムバッカーはオールド風の2芯タイプなので、ちょっと改造する必要があります。
DIMARZIOに代表されるようなリプレイスメントPUメーカーの製品は、PAFレプリカ等を除いては最初から様々な配線に対応できるよう4芯、あるいは3芯の仕様になっていますが、2芯タイプだからといって諦める必要はありません。カバーを外して分解し、タップ線を取り出せばいいだけです(方法はPGM200赤の記事を参照)。
【本来のリード線(赤・青)と別に出ている黄色がタップ線】
オートマチックデュオサウンドシステムに配線する場合、セレクターの表回路に通常のHOT線をハンダづけし、裏回路にタップ線を結線しますが、センターPUの裏端子には、表回路のコモン端子をつなぐ必要があるため、各ピックアップごとにトーンコントロールを設けることはできず、マスタートーンにするしかありません。結果POT1つは用無しとなってしまいます。IBANEZのRGも1ボリューム・1トーンになっている所以です。
ハイラムのストラトは(といっても改造したのは前オーナーだと思いますが・・・)ハムバッカーの間隔が広く、フロントはよりネック側に、リアはよりブリッジ側に寄せて搭載されていますが、私は一応楽器設計のセオリーに従ってポールピースの位置がハーモニクスポイントの真下に来るように修正しておきます。延長された22フレットに近づき過ぎるのもカッコ悪いですからね
またオリジナルはハム改造したあと、元のシングルコイルPU用のネジ穴はそのまま放置されていますが、私はここも丁寧にふさいでおきます。別のグリーンガードを1枚犠牲にし、打ち抜きポンチで蓋を製作します。打ち抜いただけではただの円柱なので、これをヤスリで逆さ富士山の形に整形して被せておきます。これだけの作業にも2時間ほどかかります。
なかなか大がかりな改造ですが、これとは別にいただいているもう1つの「宿題」に比べれば、「ちょいカスタム」と言っていいでしょう