少し前の記事で、レオ・フェンダーによる合理的な楽器設計を褒め称えました
特に電装系が、ボディー本体ではなくピックガード上やコントロールプレート上に配され、配線作業後にボディーにビルトインできるというのは素晴らしいアイデアです
それは、一度でもレスポールを分解・組み立てしてみれば誰でも痛感できます。FENDER社の工場で長年組み込みを担当している労働者も、レスポールを弄るときっとイライラすることでしょう
私がカスタムする楽器は、ストラト、テレ、プレベ、ジャズべの4種で90%なので何不自由なくやっていますが、たまにレスポールに手を出すと、分解からして大きなストレスを感じます
今回紹介する自作ツールは、そんなGIBSON系を弄る不便さを緩和するために作った道具です
名付けるほどの物でもないのですが、『4POT配線作業台』とでも言いましょうか
まず、前回紹介した『ヘッドレスト』と全く同じ2×4材の切れ端を使います。
お値段20円 長さは20~25cmほどあれば充分です。
それに、レスポールの2vol・2toneコントロールの位置に合わせる形で4つの穴を開けます。
穴のサイズは6mm&12mmの2段掘りにしておきます。
フルサイズPOTの場合はこの穴に直接POTを挿し込みます。外側の穴が12mmと大きいのは、中国製に多いミニサイズPOTにも対応するためのアダプターを押し込むためのものです。
このアダプターは、同じくホームセンターに売っている「ゴム足」にミニPOTのシャフト径に合わせた穴を貫通させたものですが、ミニPOTの中には、フルサイズPOTと同径のシャフトを持ったものあるので、フィットする方で使ってください。
作業台の右側半分は、ハンダ作業の際に右手を置くスペースとして空けておきます。
実は以前、ダンボールを四角にしたものを毎回臨時に作って対応していたのですが、軟らかくて手を置く場所もなく不安定でした
それで恒久的に使えるように木製化したんです
多くのギター雑誌でFENDER社の工場内部をリポートする特集記事はよく見ます。しかし、GIBSON工場でのレスポールの配線作業風景を見た覚えはありません
GIBSONの配線作業がどのように実施されているのか知りませんが、この作業台の上でPOT間の配線だけでも済ませてから丸ごと穴の中にセットすれば、少しですが配線作業を省力化できます。
それでもスイッチからの線、ピックアップからの線、ブリッジアースはボディーに装着後にハンダづけする必要があるので、FENDERに比べるとやっぱり面倒ですけどね…
トータル費用は端材とゴム足で200円ほどです