前例ない12回の連載となった持ち込み品のカスタムがこの3連休でようやく完成の運びとなりました
最終的なセットアップの際にフレットの不具合が露見しました
11フレットが低くて12フレットに当たり、音詰まりが発生するのです
何度も書いたようにほとんど弾かれていない個体なので偏磨耗ではありません。また、ネック本体には大きな反りもなく、1弦の11フレットだけがピンポイントでバズるので何かにぶつけたのかもしれません。
頻繁に使用するポジションでもないし、リフレットするほどのことでもないので擦り合わせで対処することにしました。
ミイラのようになっていますが、金属粉は後々サビの原因になるし、マグネットに引き寄せられるので、フロントピックアップまでしっかりマスキングします。
結果、症状はかなり改善しました。
そもそも40年も眠っていた楽器なので、次回リフレットをする際には指板修正も含めた作業をすればさらに30年は問題なく使用できるでしょう
【まずは思い出すためにオリジナル状態の姿を掲載しておきます】
「包帯」を取って再び弦を張り、ようやく全体像があらわになりました
ショートスケールで弦間ピッチが狭いことからFENDER系ブリッジを断念し、DIAMONDの孫にあたるARIAPROⅡから移植したナローピッチブリッジを搭載
加えてブリッジポジションにはハイパワーなツインJBタイプPUをチョイス
三つ葉ペグを搭載したいがために、前代未聞の面積拡張手術を施したヘッド周り
ネックエンドがピックアップ下まで伸びるディープジョイント構造であることから、EBスタイルのピックアップを載せるだけの深いキャビティーを掘ることができず、オリジナルピックアップの出力を強化してEBのカバーのみをフィッティングした「なんちゃってEB」フロントピックアップ
ピックアップのデザインが変わったことから、新たにワンオフで製作した3プライピックガード
塗装は木地まで戻した上でオールドGIBSONを彷彿とさせるTVイエローに・・・
さらには全身にウェザーチェックを入れたハードレリック仕様
オリジナルのパーツは木部とジョイントプレートとネジ、トラスロッドカバー、2個のストラップボタン、4つのPOTとコンデンサー・・・以上です
なにかと学ぶことの多かった今回の依頼 今まで経験のなかった作業も多くこなして自身のスキルアップにも繋がりました
40年の眠りから覚め、息を吹き返したこのベース
再びライブで轟音を轟かせてほしいですね